先日とあるクライアントからSNSマーケティングに関して相談を受けました。

概要としては、

  • ・社員20名弱の中小企業
  • ・TwitterとFacebookは頻繁に更新
  • ・更新頻度に見合った効果が見えない

と言ったところ。

実は、最近こういうご相談が非常に多いんです。

SNSマーケティングはまだまだ発展途上の段階で、中小企業にノウハウが蓄積する時期にはまだまだ達していません。

そしてここで陥ってしまうのが、SNSマーケティングと従来のマーケティング手法を混同してしまう落とし穴。

SNSマーケティングに既存のノウハウを適用することももちろん可能ではあるのですが、SNSの本質が見えないままただ闇雲に工数を割いても骨折り損のくたびれ儲けで終わってしまいます。

いくら登録や利用が無料とはいえ、SNSマーケティングに毎週10時間を割けば、その分無駄に人件費が飛んでいってしまうという現実も無視はできません。

そんなわけで本日は、現在SNSマーケティングの導入を検討している方、効果がなかなか見えず撤退を考えている方必見の「SNS利用時に中小企業が犯しがちな5つの間違い」をご紹介します!

1.SNSのSはSalesのS

皆様御存知の通り、SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略称です。

ソーシャルという名にある通り、SNSの本質は人と人とをつなぐ機能。

マーケティング担当者の多くが頭では理解しているはずなんですが、最近は自己満足な投稿を一方向的に繰り返すフェイスブックページやツイートがあまりに多いと感じます。

特に多いのがフィードを宣伝で埋め尽くす行為。

あたかもSNSのSをSales(販売)とはき違えているかのように、ただひたすらセール情報をコピーしてTwitterやフェイスブックで垂れ流してるんです。

再確認になりますが、マーケティングの観点から言えば、SNSは顧客とつながり、信頼関係を築くメディアです。

もちろんクーポンなどの顧客にとって有益なコンテンツを提供することも効果的ですが、顧客の質問に答えたり、意見を募ったり、「双方向的につながる」コンテンツの増加によって顧客との関係を強固にすることがSNSマーケティングの真骨頂ではないでしょうか。

読者の皆様も、自分のことばかりについて話す人に「イイね!」なんて言わないですよね?

特に料金のかからないツイートやフェイスブックページの更新に関しては、新規顧客獲得や売上アップを主目的とせず、既存顧客のロイヤリティを高めることに注力するといいでしょう。

2.更新頻度が最重要KPIの1つ

SNS上でプレゼンスを保つ上で、「定期的な更新」は確かに重要です。

「この企業ページ、廃れてるな…」

そんなことを本サイトから飛んできたユーザーに悟られては、せっかくのお客様を取り逃すきっかけになりかねませんからね。

しかし、投稿頻度とユーザーのエンゲージメントは一定の水準まで比例の関係にあるものの、投稿を増やせばそれだけユーザーが関心を示すわけでもレスポンスをくれる訳ではもちろんありません。

中小企業がSNSに割く時間が限られていることを考慮すれば、

適切なタイミング

  • ・ユーザーからアクションが発生した時
  • ・季節の変わり目
  • ・集に一回の報告やニュース
  • ・店舗移転やサイトダウンなど重要なお知らせ etc…

適切なコンテンツ

  • ・ユーザーがリアクションしやすい投稿
  • ・ユーザーを巻き込む企画
  • ・写真や動画を交えた投稿
  • ・自社に関せずとも同じ市場に関連する有用なニュース etc…

を提供することこそが上手なSNS活用の鍵と言えるのです。

3.とにかくどのSNSにも顔を出す

更新頻度と関連するのが、SNSの選択と集中に関する間違い。

  • ・新しいソーシャルメディアは常に生まれ続ける
  • ・中小企業がSNSマーケティングに割く時間は限られている

というジレンマを考慮すると、各企業はFacebookに集中するのか他のSNSに焦点を当てるのかの決断が迫られます。

とにかくコピペして各SNSでPRすれば労力は最小化出来ますが、果たしてそれが効果的なマーケティングといえるでしょうか?

これではテレビCMにラジオ向けの音声だけを流すのと同じこと。

メディアの特性を理解すること無くマーケティングを繰り返しても、効果が見えないのは当然なんです。

まずは自社の商品やサービスのユーザーを知ることから始めましょう。

次に各SNSのアクティブユーザーの特性を知ることで、SNSの選択と集中を心がけましょう。
(近日中にSNSの特徴をまとめた記事をかければと思います。)

4.同業の大企業を前に挫折する(正面からぶつかる)

あなたは調布にある小さなオーガニックハンバーガー屋さん。

最近SNSマーケティングを初めて見たものの、同業の競合であるMドナルドさんはクーポンをばらまいてとてもじゃないけど太刀打ちできません。

あなたならここでリソースの違いを理由にSNS活用を諦めてしまうでしょうか?

ぐぬぬ…という声があちらこちらから漏れていますが、もちろん諦める必要なんてありません。

こんな時はあなたの商品を改めて観察してみましょう。立地にアドバンテージは無いか考えてみましょう。

ローカルで、規模の小さいあなたのお店だから提供できる価値があるはずです。

そしてその価値をSNSで最大限活かす方法が必ずあるはずです。

上記の例で言えば、調布市民に限ったクーポンも有り、オーガニックが売りならエコバック持参のお客様に限った割引もありでしょう。

マスマーケティングには「体力」が必要です。

体力で圧倒的に大企業に劣る小規模企業が力勝負を挑んでも勝敗は見えています。

「調布」という地域に基づいたコミュニティ、「オーガニック」という趣向に基づいたコミュニティ。

形は様々ですが、あなたの強みが最大限活きるコミュニティを見つけ出し、SNSで効果的にアプローチすることが重要です。

まとめ

  • ・SNSマーケティングは無料じゃない(人件費という対価がある)。
  • ・SNSは繋がる場所で、セール会場じゃない。
  • ・中小企業は数でなく選択と集中で勝負する。