iBeacon.

この字面からも分かるように、iBeacon(アイビーコン)はアップル社の商標登録です。

i~~~と言えば、iPhoneやiPadなどアップル社のモバイル端末を思い浮かべてしまいますが、残念ながらiBeaconはアップル社が発売する消費者向けデバイスの製品名ではありません。

iBeaconはアップル社が開発したインドア・ポジショニング・システム(IPS)であり、今後のローカルマーケティングを大きく変えるポテンシャルを持っているのです。

iBeaconとは

「iBeaconはアップル社が開発したインドア・ポジショニング・システム(IPS)」ですと言われても、そもそもIPSってなんだろうって話ですよね。

一言で言えば、一定の範囲内に存在する対象デバイスを感知し、通信を可能にする技術をIPSと呼びます。

衛星を使って世界中のどこでも探知出来るGPSとは異なり、「一定の範囲内(例えばお店の中とかコンサートの会場とか)」というところが重要なポイントです。

そしてこのIPSをおそらく初めて商用に活用しようと試みるのがアップル社開発のiBeaconです。

iBeaconはBluetooth Low Energy(BLE)という低コストかつ電力消費の少ない無線ネットワークを駆使し、ある範囲に存在する電子端末を感知・通信します。

Bluetooth 4.0以上のスペックを持つ端末であれば、iOSはもちろん、Macbookやアンドロイド端末もiBeaconとの互換性があるようです。

そして勘鋭い方ならもうお気づきのように、この技術、ローカルマーケティングを一変するほどの大きな影響力を持っているんです。

iBeaconの用途

現状のローカルマーケティング最大の欠点は「密着性の欠如」と言えるでしょう。

いくらグーグルマップが地域情報を提供してくれても、クーポンアプリが近くのお店のクーポン情報を届けてくれても、お店の中のあなたの位置を特定して、位置情報と照らし合わせたコンテンツを提供するマーケティング技術は未だ確立されていないのです。

例えばあなたがデパートの紳士服売り場で買い物をしていたと仮定しましょう。

通常のクーポンアプリであればせいぜいデパート全体のお買い得情報を提供するのがやっとでした。

つまり、あなたの詳細な位置情報(=関心情報)を反映していなかったのです。

iBeaconが導入されるとこの状況は一変します。

iBeaconはあなたのデバイスを感知し、あなたが紳士服売り場を見て回っている情報を突き止めます。

位置情報を基に紳士服に絞ったお買い得情報が送られるのはもちろん、もしこのデパートがあなたの行きつけであった場合には、あなたの過去の買い物情報を織り込んだ上でおすすめの品を勧めてくれることも可能になるのです。

もちろんiBeaconの応用は店舗型ビジネスに限った物ではありません。

例えばそれぞれ出演アーティストのテイストが違う3つのステージが用意されたロックフェス会場にiBeaconが設置されているとしましょう。

主催者側や音楽配信アプリを提供する会社は、iBeaconが取得した位置情報を基に、各ステージに出演するアーティストや関連アーティストの音楽情報を来場者に提供することも出来てしまうんです。

まとめ

  • ・iBeaconはアップル社によるインドア・ポジショニング・システムです。
  • ・iBeaconはある特定の範囲に存在する電子端末を感知・通信します。
  • ・店舗やイベント会場にiBeaconを設置することで今まで実現出来なかった密着性の高いローカルマーケティングか可能になります。