edited by Ryutaro Mori

SlideStoryが100万ダウンロード突破

テック系のニュースを定期的にチェックしていれば、同様のニュースが届いたに違いない。

以前にgrowth hack japanを通じてインタビューの機会を頂いた株式会社ナナメウエのSlideStoryが、1つのマイルストーンと呼べる100万ダウンロードを達成したのだ。

この度は、そんな節目とも呼べる機会に、以前より親交のあるナナメウエCCOの石濱 嵩博氏に再度お話を伺う機会に恵まれた。

100万ダウンロードに至るまでの経緯に加え、今後の展望、そしてナナメウエが掲げる理念に迫った本記事は、多くのクリエイターの心を打つ必見の内容だ。

SlideStoryのグロース

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—まずは、100万ダウンロードおめでとうございます。昨年末にインタビューを行った際には45万ダウンロードというフェーズでしたが、そこから順調な成長を重ねましたね。

ありがとうございます。

今は一日あたりのアクティブユーザー数が3万人から4万人ほど。月間アクティブユーザーは32万人ほどなので、これからも数字をのばしていけるよう精進しなければなりません(汗)。

100万ダウンロードという数字だけを見るとまだまだですが、国内外で多くのユーザーがSlideStoryを使ってくれてくれることは本当に嬉しいですね。

SlideStoryに関する詳しいデータに関しては、100万ダウンロードを記念してインフォグラフィックを公開したので、そちらをご覧頂ければ幸いです。

インフォグラフィックはこちら:

http://nanameue.jp/en/infographic1m.html

—具体的にグロースを意識して改善や機能の追加を行ってきたのでしょうか。

ユーザー数の拡大を意識していないとは言いませんが、基本的には当たり前のことを当たり前にしてきた結果だと思います。

ユーザーがSlideStoryを使ってより良い体験が出来るように機能を増やすことも重要ですが、それでアプリ自体が使いづらくなっては元も子もありません。あくまで最優先事項は誰でも簡単に動画を作れるUI設計であり、SlideStoryの改善もその考えとユーザーの声に基づいて行っています。

もちろんボタンのタップ領域を広げてあげたり、プッシュ通知の文言やタイミングを工夫したり、細かい部分にもこだわっています。

【使いやすさが魅力のSlideStory UI①】

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【使いやすさが魅力のSlideStory UI②】

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—SlideStoryがユーザーに愛されている理由は何だとお考えですか?

先ほどお話しした使いやすいUI設計等はもちろん、なにより自慢なのが、作成する動画に挿入できる音楽です。

SlideStoryでは、20名弱の音楽クリエイター様から、現在までに約50曲ものさまざまなジャンルの楽曲を提供して頂いています。その場の雰囲気やイメージにぴったりな楽曲で作ることで、動画の質がグッと高まります。才能豊かな彼らの協力があるおかげで、今のSlideStoryがあると思っています。

—だからこそ音楽にiPodの楽曲等の使用を許可していないのですか?

ジャニーズがとても好きな人は、やっぱり自分のiPodにあるジャニーズの歌で動画を作成したいと思います。

ただ、インターネットの世界の中でこういった考えは古いかもしれないのですが、僕たちはこのニーズに応えるよりも、やっぱりアーティストの権利を尊重したいです。もしも、iPodやYoutubeからの楽曲の選定を許し、SNS等でシェアしまうと、多くのアーティストの権利を侵害してしまうことにつながることになるからです。

現在のアプリストアでは、無料音楽ストリーミングとか、アニメのタイトルを一文字だけ変えたようなゲームアプリが人気ランキングに多く見受けられます。これは普通でしょうか? 僕は異常なことだと思っています。

アプリやウェブサービスに限らず、僕たちが日常生活で触れるモノは全てクリエイターの手によって作られています。ナナメウエも、クリエイティブの提供を通じて世界を変えたいと願う集団として、クリエイターの権利を守っていきたいです。競争社会で、かつユーザーが望んでいる状況でも、他社がやってるから自分たちもやるというのは 少し違います。

SlideStoryが更に成長することで、厚かましいかもしれませんが、この価値観がより多くの人に広まり、アプリ業界全体が健全な方に向いてくれればと思っています。

動画、そしてナナメウエの将来

—100万という数字はあくまで通過点という姿勢が印象的ですが、今後の具体的な成長戦略をお聞かせください。

動画コンテンツ全体として、長い間テレビが根強いプレゼンスを誇ってきましたが、ここへ来てようやくインターネット動画の波がやってきていると捉えています。

ネットの発達によって、今までは時間や場所の制限に縛られてきた動画視聴に自由が生まれて、どこでも誰とでもその瞬間を分かち合えるようになってきたことがその最たる要因で、こうなるとテレビの優位性は無くなってきますよね。

これに由来してテレビと釣り合うだけの広告単価がネット動画にも出てくれば、ネットのコンテンツはどんどんリッチになっていく。日本テレビによるHuluの買収に代表されるように、テレビ業界も続々ネット動画ビジネスに参入を進めていますが、常にネットに特化してきた企業はノウハウの面でも圧倒的に既存メディアに勝るし、動画メディアビジネス全体に大きな変化が起きると思います。

例えば今流行っているネット動画ビジネスって、YouTube、ニコニコ動画、ツイキャスなど、C2Cの動画コンテンツサービスですし、テレビのやり方をそのまま当てはめるのは非常に難しいのではと考えています。

ナナメウエは、同じC2Cでも、個人間の、よりプライベートな動画を提供しているので、YouTubeやニコニコ動画とはまた違った成長路線を辿ることになります。ただ、SlideStoryの中には友人や恋人同士以外でも楽しめる動画も存在するので、パブリック向けの動画にも一定の勝機は見出しています。今はまさにその両方のタイプの動画をユーザーがスムーズに共有出来るように、クラウド環境の構築を進めている状況ですね。

世界を見ればVineなどの競合も存在しますが、日本を含むアジア市場においてはまだマーケットリーダーと呼べる競合は存在していません。この市場におけるプレゼンスを高める為に、この地域で占有率の高いAndroid機器に向けたSlideStoryの製作も進めています。

5~6月には、SlideStoryの世界観をそのままに、ユーザー体験を大きく変えるアップデートを発表する予定です。ユーザーの皆様に少しでも早く体験頂けるように、開発体制も強化を重ねる予定なので、ナナメウエの理念やプロダクトに共感頂ける場合には、是非採用情報などをチェックして、ご応募頂ければ幸いです!

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