あなたが雇おうとしているその人、本当にグロースハッカーでしょうか?

本日は、バズワード化に伴って激増している「グロースハッカー」への対策の意味を込めて、肩書きに騙されない為の5つのチェック項目をご紹介します。

本記事で紹介する5つの違いに着目し、今後の適切な採用及びチーム作りに役立てましょう!

①コンバージョンの見方

コンバージョンの見方は、グロースチームとマーケティングチームの大きな違いの1つです。

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マーケティングチームが意識しているのは、①ダウンロード数などのユーザー獲得に関する数値と②商品購入数や金額など収益に関する数値のみである一方、グロースチームはAARRR全ての指標を意識し、DAUや月間アクティブ課金ユーザーなどのビジネスの成長をより良く反映するメトリックスを追いかけます。

大げさ且つ非常に「浅い」例ではありますが、「日間UU100万、平均1PV、平均滞在時間10秒」という数字を見て、「日間UUが100万突破!」と単純に喜ぶのがマーケター、「平均PVと滞在時間が僕たちが定義する『アクティブユーザー』に満たないから、もっとアクティベーションに力を入れよう」となるのがグロースチームとなるわけです。

②スキルセット

バズワード化する以前にシリコンバレーで「グロースハッカー」と呼ばれた人材は、データ解析からエンジニアリングに至る全てのタスクを1人もしくは少人数で行い、その結果として著名サービスの急成長を促したと言われています。

当然、「グロースハッカー」を名乗るのであれば同等のタスクをこなせるスキルが前提条件となるわけですが、FacebookやTwitterが数十人規模のグロースチームを抱えている現状を踏まえても「グロースハッカー」になることはあまり現実的とは言えません。

名前や流行に惑わされず、適切なメンバーを適切な形で組織することがグロースの根底にはあるのです。

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従来のマーケティングチームであれば、①コンテンツライター、②コピーライター、③SEMマーケター、④ソーシャルメディアマーケターなどのメンバーが主力として在籍し、デザイナーやエンジニアは別の部署に切り離されてきました。

しかし、これによってマーケティングを活性化させる為のデザイン・エンジニア業務の優先順位は下がり、結果として思うようにマーケティング業務が進まない困難を企業は(多くの場合知らぬ間に)抱えて来たのです。

その点グロースチームはというと、重要視するメトリックスの改善を促す施策をスムーズに実行すべく、デザイナー、データサイエンティスト、エンジニアを含んだチームを構成。

ユーザーを連れてくるのみならず、中でいかに動かすかを考えてチームを構成しているのが特徴です。

③プロダクトとの関わり方

エンジニアやデザイナーを巻き込むということは、プロダクトに対する立場も変化します。

従来であれば、「プロダクトの良さを伝える」のがマーケターの仕事だった訳ですが、グロースチームにとっては「プロダクトを良くする」ことも仕事の1つにあたるのです。

「プログラミングを学ぶのなら、生涯仕事に困らないことを私が保証しよう。」という言葉でもおなじみであるFacebookのChamath Palihapitiya氏は、サービスの急成長に必要なこととして、以下の3点を挙げています。

・サービスのコアバリューを磨く

・可能な限り多くの人に可能な限り迅速にコアバリューを届ける

・可能な限り多くの人に可能な限り頻繁にコアバリューを届ける

「サービスのコアバリューを磨く」以外の2点は一見マーケティング寄りの特徴に見えますが、実はこれらもサービスの設計次第で大きくパフォーマンスが変化する項目です。(例えばアクティベーション体験が劣悪であればリテンションが高まるわけもなく、結果としてユーザーが頻繁にコアバリューを体験する機会は減少します。)

④メンタリティ

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「グロースハックはメンタリティ」

そんな言葉を頻繁に耳にするほど、グロースチームに正しい考え方やマインドセットを浸透させることは重要です。

・世の中の問題を自分の力で解決するんだという志

・やりきるまで諦めない粘着力

・「この機能がきっと受けるはず」という思い込みからの脱却

・「100回試して80回はずれることも当然」という心構え

・「まずは広告」ではなく、オーガニックでユーザーを増やすことに集中する姿勢

・データと経験に基づいた直感のバランスにより意思決定

体育会系の根性論丸出しですが、どこの話を聞いても必ず上記のような答えが返ってくるほど、強固なメンタリティは重要と言えるのです。

⑤実績

最後にそれかよという意見もごもっともですが、実際にサービスの急成長を担った経験無しに「グロースハッカー」を名乗るのは少々無理があります。

自称グロースハッカーを雇うのであれば、実際にどれだけの実績があるのか、データを用いて説明してもらいましょう。