edited by Takaya Uchida ( Vapes Inc., )

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ビッグデータ、この語句を聞いたことがない人はおそらくいないでしょう。

もしかしたら、読者の内何人かはビッグデータの分析を行うためのツールを開発しているかもしれません。

これまで活用してきたか否かにかかわらず、ビッグデータはスタートアップに必要な人材発掘、さらには社員の貢献度をより正確に測る手助けをしてくれます。

Xeroxのような大企業ではビッグデータの活用により、離職率を半分にまで下げることに成功しています。

また、入社試験で認識能力・人間性において良い成績を収めた人ほど、入社後自社にとってより優秀な人材に成長していることをビッグデータが示しています。

スタートアップ系の企業も、どのような成長段階にあろうと、Xeroxが収めたような成功を真似できないはずがありません。

さらに、THE BRIDGEに掲載された記事「ビッグデータで人材採用を変えるハッチがCAVとANRIから7,500万円を調達、新基盤「Talentio」をローンチ」でも述べられているように、これからは日本においてもビッグデータを活用した求人活動が活発化していくことが予想されます。

そこで、以下ではビッグデータの活用を人材発掘につなげていくために必要な3つの方策を見ていくことにしましょう。

*本記事はRolePointの共同創業者兼製品開発部長のKes Thygensen氏がThe Next Webに寄稿した記事(原題:How to use big data to predict the success of your startup)を参考に著者が執筆したものになります。

選抜結果をより良く解釈すること

「言うは易し、行うは難し」という批判が聞こえてきそうですが、ひとまず話を進めましょう。

採用時から志願者をより正確に見極めることができれば、入社後も将来にわたってどのように自社のグロースに貢献してくれるかを予測しやすくなります。

この際、志願者の転職歴等といった、一見マイナスな側面に着目するのではなく、自社のスタートアップに有益な能力の持ち主か否かを測ることに専念しましょう。(実際には、転職の回数が多い人も、同一の会社への勤務年数が長い人と比べて仕事の能力が劣ることはないという研究結果が出ています)

例えば、小売り業界への求職者は、姿勢、及び発言の明白さ、説得力の有無が試されます。一方、カスタマー・サービス業への志願者は、対話能力、人間関係形成能力の有無を見られます。

このように測るべき能力を絞ることは、より良い採用、仕事ぶりの評価、そして自社全体にわたる経営につながっていきます

SNSを最大限有効活用しよう

小さな企業やまだスタートアップ段階の企業は新卒や中途の採用にお金をかけられるだけの余裕はないかもしれません。

そんなときに役立つのはSNSです。

今日では人事担当の人はほとんど全てのSNSにアカウントを持っていると言われています。

かつてはSNSは気をそらす仕事の邪魔者扱いをされていたこともありましたが、SNSはビッグデータの宝庫であり、求職者がオンライン上でどのような活動を行っているかを垣間見ることを可能にしてくれます

しかし、SNSから得られる膨大なデータを自社のみのリソースで処理することは時に、非常に重荷になることもあります。

この対処法として海外における中小企業はZOHO RecruitやFacebook、LinkedIn、 Twitterといった様々なSNSから収集されるデータを分析するためにEntelo等のプラットフォームを活用し始めています。

また、国内の人材発掘プラットフォームとしてはtalentio挙げられます。

新進気鋭のこのプラットフォームは、まだリリースされていませんが、近日中にSecret Release Partyが催されることになっているので、興味を持たれた方は参加申込をしてみるといいでしょう。

これらの「人材の検索エンジン」は自社にとって必要な才能を持ち合わせ、かつ、自社を成功に導いてくれる有望な求職者の発見を手助けしてくれます。

既存社員からの紹介プログラムを充実させよう

採用試験や適性検査は確かに便利なツールですが、それ以上に、既存社員からの紹介でその人の知人を獲得していくことが今なお最も確実な人材獲得方法です。

既存社員からの紹介にビッグデータの活用をすることは鬼に金棒とも言えるのです。

転職を考えている人は、LinkedInを使っている場合、自分の履歴書を更新したり、より多くの人事担当の人とつながり、より多くの企業をフォローする傾向があります。

ビッグデータの分析結果が示すところによれば、そのような人はSNSの使用頻度が増えることにより、より多くの知人からの紹介を受け入れやすくなります。

ビッグデータの活用によって、どの求職者がより頻繁に人事担当や既存社員からの連絡に反応しているのかがわかり、その結果、どの人が既存社員からの紹介に応じそうか、ということが判断できるようになると言えるでしょう。

上記の全ては人材発掘に貢献するのみならず、新規事業を興したり、事業の拡大をしたいときに、どの既存社員が人材獲得において有望な人脈を持っているかの特定にもつながるのです。

最後に

ビッグデータは活用の仕方によって、組織全体、及び人材獲得の成功を予測するための強力な武器となりえます。

まだ、スタートアップの初期段階にある企業も、長い目で見たときにビッグデータによってもたらされるベネフィットを過小評価することなく、有効に活用していきたいものですね。