Pinterestのグロースを支える4つの分析テクニック

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数あるスタートアップの中でも成長著しいPinterest。

本日は、Pinterestのエンジニアブログで語られた、「Pinterestのグロースを支える4つの分析テクニック」を紹介致します。

5/30更新「『好きより価値を追求しろ』ネットの覇者アンドリーセンが語るプロダクト論」

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Pinterestのグロース観

4つのテクニックを紹介する前に、記事の中で言及されていたPinterestのグロースに対する考え方を引用を用いて紹介します。

持続可能なグロースの鍵は、ピンタレストユーザーを最優先に考え、ユーザーがピンタレストから得るバリューを拡大する手段を探求することだと考えています。

つまり、既存ユーザーのプロダクト体験を改善する、新規ユーザーにより効果的な形でピンタレストの価値を伝える、もしくはエンゲージメントの低いピンタレストユーザーのためにコンテンツを充実させるなどの取り組みが、ピンタレストのグロースの根本にあるということです。

しかし、数千万人のユーザーを抱えるピンタレストにおいて、目標を達成出来たのかどうかを理解することは非常に困難であるため、私たちは本記事で紹介する4つのテクニックを用いて成功を測ります。

本記事をご覧頂くことで、Pinterestがどのように異なるメトリックスを理解しているのか、そしてその重要指標を問題の発見やグロースチームの意思決定にどのように活かしているのか、ご理解頂けるでしょう。

3つの状態でユーザーを分類

Pinterestのグロースチームでは、ユーザーを以下の3つの状態で分類するシンプルな分析モデルを採用しています。

・MAU(月間アクティブユーザー)

・不活発ユーザー(過去28日間の利用無し)

・新規ユーザー(ユーザー登録したばかり)

このモデルの活用例として、以下のグラフが紹介されています。

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注意書きにある通り、Pinterestの実際のメトリックスとは関係の無い上記のグラフですが、5つの色の線を使って毎日ユーザーがどの状態からどの状態へと移行しているかを計測しています。

【青】

MAUから不活発状態への移行を計測。

【赤】

不活発状態(28日間以上利用が無かった)からMAUへの移行を計測。

【黄緑】

新規ユーザー獲得数を計測。

【紫】

登録後、一切利用せずに不活発ユーザーへ(28日間が経過)移行した数を計測。

【水色】

上記4つの数値を総計して出した純MAU増加数を計測。

Pinterestは上記のグラフを通じて、どこにフォーカスすれば純MAU増加数を最大化出来るのかを計測しています。

例えば新規ユーザーが登録後、一切利用せずに不活発ユーザーへ移行する数(紫)が増えれば、登録直後の第1週にPinterestの価値を如何に上手に伝えるか、つまりオンボーディング施策を改善する必要があることが明らかになります。

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Xd28s

Xd28sは、Pinterestがユーザーのエンゲージメントを測る為の指標です。

ログイン回数を測るのであれば、あるユーザーの数値が4d28sのとき、そのユーザーは過去28日間で4日間Pinterestを利用したということになります。

もちろんログインだけでなく、各機能(Pin、シェアなど)に応用することも可能です。

Pinterestには様々な使い方が存在する為、ユーザーがどれだけPinterestに価値を見出しているのかを測るプロキシとして利用しているようです。

このモデルの活用例を、Pinterestは以下のグラフと共に紹介しています。

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上記のグラフでは、以下の3つの分類を行っています。

【青】

4d28s + = 過去28日間で4日間以上Pinterestを利用したユーザーの割合(カジュアルユーザー)

【赤】

14d28s + = 過去28日間で14日間以上Pinterestを利用したユーザーの割合(コアユーザー)

【黄緑】

<4d28s + = 過去28日間で4日間未満Pinterestを利用したユーザーの割合(マージナルユーザー)

3つの割合を定期的に計測することで、ユーザーがPinterestにどれだけの価値を見出しているのか、そしてその割合がどのように変化しているのかが明らかになります。

万が一(コアユーザーに比べて見出している価値の低い)カジュアルユーザーやマージナルユーザーの割合が増加した場合には、なぜその現象が起こっているのか、対象法として何が出来るのかを考えるきっかけとなります。

コホートヒートマップ

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コホートヒートマップは、ユーザーのアクティブ率を計測する為のメトリックです。

上記のグラフにおいて、赤は高いアクティブ率、青は低いアクティブ率を示しています。

y軸を上がれば上がるほど色が青に近づいていくのは、x軸はユーザーが新規登録を行った日付を、y軸は登録からの日数を表しているからです(登録直後はアクティブでも、日が経つことで多くのユーザーは不活発になっていく)。

上記のグラフはあくまで1例に過ぎませんが、Pinterestは上記のグラフなどを活用して新規ユーザーのリテンションを計測しています。

例えば上記のグラフからは、2013/04/01に利用登録を行ったユーザーのリテンションが急激に下落している(赤色の面積が下がっている)ことが分かりますね。

更に、ユーザーを性別や位置情報を使ってセグメントすることで、どのユーザー層のリテンションに改善余地があるのかを見極められ、コホート・ヒートマップの有用性は大きく高まります。

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コンバージョンファネル

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コンバージョンファネルは、AARRRやグロースハックに精通している方ならおなじみの分析手法です。

ファネル(じょうご)とは入り口から出口にかけて徐々に空間が狭まっていく円錐状の器具を指し、ファネル分析はそれに喩えてユーザーが入り口から目的達成までの各プロセスのどこでどれだけ離脱しているかを検証する為に使われます。

以下のイメージを見ると分かりやすいでしょう。

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(ホームページ、登録ページ、登録開始、登録終了までに、どこでどれだけユーザーが離脱しているかを示している)

Pinterestでは、ユーザー登録プロセスのみならず、各機能においてもファネル分析を行っています。

例えばあるユーザーがPinした画像やリンクを友人に送りたい時を想定してみましょう。

単純にそのプロセスを1つのものと考えるのではなく、①画像やリンクを送る友人を探す、②メッセージを添える、③実際に届いた画像やリンクを開くというプロセスが考えられますね。

実際にはどうか分かりませんが、もし「①画像やリンクを送る友人を探す」で多くのユーザーが離脱しているのであれば、予測検索機能の性能を高めると言った施策を取る必要が出てくるかもしれません。

他にもPinterestは、招待機能にファネル分析を活用しています。

あるユーザーが未登録ユーザーに招待状を送るとき、受け取り側のユーザーは①リンクを開く、②LPにたどり着く、③サインアップ方法を選ぶ、④登録を開始する、⑤登録完了といったステップを踏むことが想像出来ます。

Pinterestはこのプロセスの内、「②LPにたどり着く」に着目し、この段階で離脱する理由として「Pinterestの価値や使い方が未登録ユーザーに伝わっていない」可能性に着目しました。

その成果は定かではありませんが、現在Pinterestでは、ファネル分析の結果を活かして、サインアップページの背景に使い方に関する文言と関連画像を挿入しています。

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最後に

一見基本的な考え方や手法が多いようですが、基本に忠実だからこそPinterestはこれだけのグロースを達成出来ているという見方も出来るでしょう。

Pinterestの魅力をもっと知りたいという方は、ぜひとも以下の2記事も併せて参考頂ければ幸いです。

ピンタレストのユーザー獲得&定着率UPに隠された5つのグロースハック

時価総額5000億!グロースチャネル・Pinterestに飛びつくべき6つの理由

参考: How Pinterest drives sustainable growth

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Author Profile

growthhackjapan
Ryutaro Mori
 

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を2013年に卒業。
ITブログメディア growth hack japanの元監修者。
ディレクションやコンサルティング業務の傍ら、ウェブサービスの拡散に貢献する術を日夜研究・実践中。

 

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Author: growthhackjapan

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