未だに総ダウンロード数やアクイジション中心のデータの見方をしていませんか?

growth hack japanを通じて何度もお伝えしてきたように、グロースの基本は高いユーザーリテンションです。

本日は、リテンションの向上を画策する上で是非とも気にかけておきたい16の項目を紹介致します。

ウォークスルー

アクティベーション施策としてのイメージが強いウォークスルーですが、初回体験の段階で使い方や楽しみ方をユーザーの脳裏に焼き付けておくことはリテンションにも効果を発揮します。

growth hack japanでは過去にいくつもウォークスルーの重要性を説く関連記事を出しておりますので、是非参考にして頂ければ幸いです。

ウォークスルーの基本は「ナチュラル(説明臭くなりすぎず、実際に体験させながらの説明)」です!

参考記事:

継続ユーザーを増やしたいなら、まずはユーザーを「調教」しよう

ブックマークアプリPocketのAA(RRR)の悪いとこ7個と良いとこ4個

絶対参考にしてほしい、Dropboxに負けないTumblr.の秀逸なユーザー登録UI

「グロースハックとは」 FB、Twitterの成長請負人が語るあなたの考えを覆すグロースの真実

もう一つのグロースハック条件「認知的負荷最小化」5つのポイント

AHA体験

グロースハックに興味があれば、TwitterのAHA体験に関する話は既にご存知でしょう。

Twitterは、登録直後のユーザーが5~10人のユーザーをフォローした時リテンションがグっと高まることを発見しました。

この発見に基づいてウォークスルーを5~10人のユーザーをフォローさせる方向に改善したところ、実際にリテンションも大幅に改善。

その後のツイッターのグロースに大きく貢献することになりました。

頭を柔軟に働かせ、ユーザーをセグメント出来るか否かが成功の鍵になりそうです!

Email

インスタント・メッセンジャーやSNSが発展する昨今でも、未だにEmailの存在感は大きいもの。

私のメールボックスにも、Facebook、Twitter、Pinterestなどなど、毎日あらゆる有名サービスからメールが届いています。

とはいえユーザーの立場からすれば、意味の無いメールがメールボックスを浸食するのは心地よいことではありません。

本当にユーザーにとって価値のある情報がメルマガに含まれているのか、送信前にしっかりと精査することが求められます。

日々数多くのサービスを利用するユーザーが見た瞬間にハッとあなたのサービスを思い出すような、インパクトと価値のあるメールを心がけましょう!

効果的なメールマーケティングの詳細は、「FacebookとeBayがグロースハックに応用する3種のメールマーケティング」をご覧下さい!

コンテンツマーケティング

ブログなどを使ったコンテンツマーケティングも、不活発ユーザーがふとした瞬間にあなたのサービスを思い起こすきっかけになり、結果的にリテンションの向上が期待出来る施策です。

海外だと頻繁に良質な記事を提供するKISSMetrics、国内企業だとbtraxさんのブログやデータアーティストさんの「会社PV」などが素晴らしいコンテンツマーケティングの例にあたるのではないでしょうか。

課金サイクル

月額制より1年あたりで課金された方が離脱率は減少します。

しかし、当然ながら一度に大きな額を支払うハードルは、ユーザーにとって低いものではありません。

①無料お試し期間を設ける

 

②有料でも短期間試せるオプションを用意する

 

③年間契約するとディスカウントが効く

 

④手厚いカスタマーサポートなど、金銭面以外のインセンティブが付く

などなど、カスタマーが実際に必要としているサービスを定性・定量的に調査し、課金サイクルの調整を通じて提供出来る最高の価値を届けることに注力しましょう。

定性的調査

定量的データは、一定の量をもって初めてその価値が高まります。

ローンチ前後のまだ定量的データが集まっていない段階では、無理に数値から答えを求めるのではなく、カスタマーの声に耳を傾けることが大切です。

とはいえユーザーも暇ではありません。長ったらしいアンケートに付き合わされてはそれだけで信用を失ってしまう可能性だってあります。

闇雲に質問を投げかけるのではなく、①アンケートのタイミング、②アンケートの長さ、③アンケートに答えることで得られるインセンティブなどを含む調査の設計を、事前に時間をかけて行いましょう。

①アンケートのタイミングに関してはユーザーの利用フローに介入しないこと、②アンケートの長さに関しては2~3問の選択形式もしくは短答式であることが重要です。

③アンケートに答えることで得られるインセンティブに関しては、何を与えなくても、サービスが改善し、UXが向上すればユーザーにとってそれ以上嬉しいことはありません。

定性的調査の結果を踏まえて、いかに迅速に施策に落とし込めるかが重要と言えるでしょう。

アンケートの対象も、サービスを利用し始めたばかりのユーザーではなく、ある程度サービスを体験したユーザーに絞ることが大切です。

適度な変化

諸刃の剣になることも多いアップデートや新機能の追加ですが、これも慎重に行えばリテンションを高めるきっかけとなります。

データに基づいてアップデートを行うことはもちろん、変化を一度に全てのユーザーに無理強いするのではなく、「一部のアクティブユーザー限定で機能のテストを行っています。参加しますか?」といった感じのプレミアム感を加えるだけで、元のUIに馴れたユーザーでも足取り軽く新機能を試しやすい環境が整います。

ニーズが変化するサイクルがどんどん速まる昨今、プロダクトも変化無くして成長を続けることは出来ません。

ユーザーが考えるコアな機能をそのままに、その他の部分でいかに付加価値を足し続けられるか、絶えず考える必要があるのです。

カスタマーサポート

今の時代、代替品がないサービスなどありません。

他の物で我慢出来るなら、あなたのプロダクトに固執する理由等無いのです。

ユーザーにとってのスイッチングコストが低い時、カスタマーサポートはしばしば最後の砦となることがあります。

UIや機能が似通っていればいるほど、ユーザーは継続利用の理由をいざというときの安心に求めるのです。

とはいえ大企業でも無い限り、大規模なコールセンターを設けるのは至難の業。

そこまで出来なかったとしても、以下のような対策はリテンション対策の一環として考慮したいところでしょう。

・FAQの設置

 

・ホームページにあらゆる連絡方法を掲載(TEL、Email、住所etc)

 

・CSチャット窓口の設置

 

・素早いレスポンス

また、カスタマーサポートと聞くと受動的な対応を思い浮かべがちですが、大きな間違いです。

海外では、CEOがユーザーに自ら電話をかけて、利用に関する不具合はないか尋ねてきたというニュースを頻繁に耳にします。

そんな電話がかかってきたらユーザーとしては「大切にされている」という事実に胸が高まるのはもちろん、ユーザーがそれをブログなどで取り上げることによって、思わぬ形でサービスに注目が集まるケースも存在するんです。

出口調査

利用停止したいユーザーを、そのまま手放していませんか?

退会直前のユーザーからは、リテンションを高める上で最も価値のあるフィードバックを得られます。

ユーザーを無理に引き止めたり、退会方法を明示しなかったりすればサービスの評判は傷つきますが、上手にユーザーからフィードバックを得ることが出来れば、今後のリテンション改善に向けて大きな一歩を踏み出せるのです。

Huluは退会直前のユーザーを逃さないことはもちろん、最後までユーザーからフィードバックを獲得する飽くなき姿勢が印象的です。

是非「Huluから学ぶフリーミアムモデルの極意 8選」を参考にして頂ければ幸いです。

リマーケティング

一度サイトやアプリを訪れたユーザーをリマーケティングを通じて呼び戻すコストは、新規顧客を獲得するコストを大幅に下回ります。

最後にプロダクトを体験したときの満足感に応じてその成功率は変動しますが、たいていの場合、「過去に利用したことがある」という経験は再度利用することに対する心理的ハードルを押し下げます。

一度直帰したユーザーが再度直帰してしまうような価値付けでは無駄なコストを割くことになりますが、前回時に比べて商品のラインナップ、UIの使いやすさ、プライシングなどに目に見えた改善が見られているのであれば、リマーケティングは継続利用の大きなきっかけになるでしょう。

コミュニティ・マネージメント

メールマーケティング、コンテンツマーケティング、リマケなど、不活発ユーザーに再度注意を喚起する手法を紹介してきましたが、本来であればそのような喚起はコミュニティの中から自然な形で起こるべきもの。

定期的なメルマガを通じて「○日間ログインしていませんが、どうしましたか?」と運営サイドから問われるよりも、同じ立場にあるユーザーから挨拶されたり、質問された方が、よっぽど嬉しいものです。

たとえ提供するサービスが、ユーザー同士のコミュニケーション要素の少ないtoBサービスだったとしても、セミナーなどのオフラインを通じた交流やその案内などは、コミュニティ・マネージメントに非常に効果的。

コミュニティ・マネージメントのコツに関しては、是非「グロース志向のコミュニティマネージャーが必ず意識してる21のこと」をご覧下さい!

ゲーミフィケーション

何でもない利用プロセスに、ゲーム要素を取り入れることでユーザー体験の活性化を促すゲーミフィケーション。

ポイントを与えたり、ランキング化することでユーザーの競争心を単純に煽るだけでなく、時間や労力を割けば割くほど利用停止に踏み切りづらくなる効果を持つゲーミフィケーションは、リテンション改善を考える上で必ず考慮したい要素です。

ブラウザ拡張機能

個人的に特に強調したいのが、ブラウザ拡張機能の重要性。

「時代はモバイル!」なんて言われながら、IT業界の中もしくはその周辺にいると、まだまだPCは手放せないもの。

そんな時、アプリと連携して使えるブラウザ拡張機能があると、モバイルとデスクトップでシームレスな連携が可能になり、携わる時間が高まることから継続利用の可能性がぐんと高まります。

私が予てより愛用しているPocketも、しばらく前からChrome向けに拡張機能を提供しており、これが無かったらここまで愛用していたか分からないと言うほど重宝しています。

期待値調整

「○○にイノベーションを起こす新サービス!」

「ユーザーの99%が満足を実感!」

「○○が今なら無料!!!」

などなど、期待値をとことん上げることは簡単です。

しかし、上がりに上がった期待値の先に待っているのは、多くの場合落胆です。

特にプロダクトをローンチして間もない段階では、バグや不完全なオペレーションを理由にユーザーを満足させることが出来ないことも多く、期待値をむやみやたらに上げるのは極めて危険と言えるでしょう。

ビッグマウスが集めるのは、興味本位のユーザーがほとんどです。

もちろんこうしたユーザーの何%かは将来継続ユーザーになる可能性を持っていますが、そのパーセンテージを左右するのは、どれだけ期待値を煽れるかというよりも、その後いかに価値を提供し続けられるかに尽きると言えるでしょう。

ユーザーの短期的な食いつきだけを目的としたプロモーションではなく、持続可能な成長を考慮した戦略的なPRが求められるのです。

プロダクト

どんなに外身を着飾っても、中身の無いプロダクトに継続的なユーザーはつきません。

解消するのが潜在的なニーズでも、顕在的な課題でも、とにかくそのプロダクトが存在する理由が存在するのか、今一度冷静に考えてみましょう。

PMF(プロダクトマーケットフィット)の話になるとよく耳にする、「『このサービスが無くなったら、落胆しますか?』という質問に対して40%のユーザーがYesと答える」という基準を使って調査を試みてみるのも良いでしょう。