次にシリコンバレーがぶち壊す必要があるのは、シリコンバレーの文化そのものである。

Facebookやその他有名IT企業にエンジニアとして勤めてきたCarlos Bueno氏は上記のように語ります。

国内外で賞賛を浴びるシリコンバレーに、いったいどんな問題があるというのでしょうか?

本記事では、今シリコンバレー文化が抱える問題と、Bueno氏が皮肉たっぷりに語るシリコンバレーに馴染むための7つのアドバイスを紹介します。

参考:

The next thing Silicon Valley needs to disrupt big time: its own culture

シリコンバレー文化が抱える問題

困ったことに、シリコンバレーは見せかけの科学的な実力主義を作って、シリコンバレーで既に活躍する人材と似たような外見で、かつ似たような話し方をする人々しか一見の価値がないという考えを助長してきた。

(シリコンバレーが現在の地位を築く前に一般的だった)古くさいビジネスの慣習をぶっ壊したと思ったら、彼ら自身が似たような存在に成り下がってしまったわけだ。

そう語るBueno氏は、シリコンバレーに拠点を置くスタートアップ 42Floorsに関する逸話も披露する。

42Floorsは、彼らのブログの中で面接にスーツを来て現れた求職者にがっかりしたという旨の発言を残し、慣習的に行われているカジュアルな面接を求職者の服装だけを理由に落としたというのだ。

Bueno氏は、PayPalの共同創業者であるMax Levchin氏が、求職者の趣味がバスケットボールだというだけで不採用にしたという逸話にも言及している。

Levchin氏や彼の同僚にとって空き時間にバスケを楽しむ習慣はなかったようで、その求職者は全ての技術に関するテストには合格したのにも関わらず、結局不採用扱いになったのだという。

最近立て続けにGoogleやFacebookの酷い多様性調査の結果が報告されているが、これではそんな結果が出て当然と言えるだろう。

シリコンバレーに馴染むための7つのアドバイス

こんな文化は今すぐぶち壊さなくてはいけないと強く主張するBueno氏は、皮肉まじりに現状のシリコンバレーに馴染むための7つのアドバイスを綴っている。

かなり馬鹿げたアドバイスではあるが、シリコンバレーで働くことに躍起になる人々にとっては役に立つのかもしれない。

①シリコンバレーに住め

もし現段階でシリコンバレーに住んでいないなら、今すぐ引っ越すべきだ。

時間とスペースの障害を取り除き、世界を繋げている先駆者たちは、あなたが彼らと同じレストランでブランチをとらない限り、真面目に応対もしてくれないだろう。

“The City”と呼ばれる中心地に住むことが理想だろう。

②「シリコンバレーの時間」に馴染め

シリコンバレーに馴染みたいなら、私たちに「オーガニックに」馴染むことだ。

ここで言う「オーガニックに」とは、私たちのスケジュール感覚に適応しろ、時間に融通を利かせろということである。

最も望ましいのは、私たちからコーヒーやスケートボードの誘いを待つ以外に何も楽しいことがないように振る舞うことだろう。

③シリコンバレーのドレスコードを弁えろ

着飾りすぎてもいけないし、軽装すぎてもいけない。

シリコンバレーで活躍する人々の社会経済的な地位、行動様式、口調などを出来る限り真似するといい。

④技術以外で驚かせろ

他の求職者と差別化するために、仕事関係以外の側面で私たちを驚かせる方法を見つけなさい。

一風変わった高級食品を贈り物として持参してもいいだろう。

⑤ブログを読め

私たちがオンライン上に発信する全ての情報をチェックして、その内容を会話に織り込みなさい。

これによって、あなたのコミットメントレベルがわかります。

⑥仲介者を探せ

正直に言って、私たちはあなたと話したくなんかない。

私たちと話したいのであれば、まずは私たちとつながりのある人を見つけて、彼らがあなたを私たちに紹介するように仕向けることです(もちろん仲介者だって彼らがよく知っている人しか紹介したくないだろうから、結局このループが何度も積み重なってとんだ時間の無駄になるわけだが)。

⑦私たちを受け入れろ

私たちは、客観的で、実力主義の人間だ。

「もっとこうしたらいいのではないか?」なんて提案は凶暴に撥ね除ける。

ここで伝えた1~6のアドバイスを守らなかったところであなたを潰しにかかることはないが、これらのアドバイスは必ず役に立つことだろう。

最後に

歴史を振り返ると、どんな時代もステータス・クオに異議を唱える反体制派が存在するものの、体制が裏返れば結局元の反体制派も既得権益の確保に躍起になり、同じサイクルが繰り返されるのが常のような気がします。

どうやらこの流れはシリコンバレーも変わらずと言った様子で、メッキを剥がせばまだまだ色々とボロが出てくるのでしょう。

私も一時期シリコンバレーに行くこと自体に強い憧れを感じていましたが、やはり結局はどんな目的を成し遂げたいか、そしてその目的を達成するためにはどんな場所に身を置くべきかということを中心に拠点を考えるのが良いのではないでしょうか。