成長の為に最も重要な指標はどうすれば見つかるのか。
本日はそんな回答に答えるべく、DropboxやEventbriteのグロースを請け負ったSean Ellis氏によるプレゼンスライドを翻訳した内容をお届けします。
最も重要なメトリックスの見つけ方
*All image rights are reserved for Sean Ellis, Founder and CEO at Qualaroo.
表題:最も重要なメトリックスの見つけ方 by Qualaroo、SumAll
マーケティング担当は、データに溺れている。
計測したい指標が多すぎる一方で、時間はほとんど無いのである。
・マーケティング担当は、未だかつて無い量のデータに圧倒されている。
・問題は数値や情報の不足ではない。数値から多くのことを見出せないことが問題なのである。
・実際のところ、どんなサービスも、どんなフェーズにあっても、本当に重要なメトリックスは2~3しか存在しないのだ。
では一体、数値が持つ意味とは何なのだろうか?
本当に重要なこととは、必ずしもあなたが重要だと感じるものではない。
データの先、つまりデータから見出せる最も奥深くのインサイトを見つけ出そう。
以下の円の集合体は、ウェブ解析戦略の鍵となる構成要素を表す。
それぞれの円は、おおよそあなたが解析を通じて抽出出来るデータの量を表している。
( Rethink Web Analytics: Introducing Web Analytics 2.0 )
大きな円から順に説明していこう。
まずはクリックストリーム(Webサイトの訪問者がページを渡り歩いた軌跡)が存在し、これはユーザー行動の「何(What)」が分かる。
次にやってくるのがコンバージョンレートの検証であり、ここでは「どれだけ多く(How Much)」という観点からユーザー行動を観察出来る。
その下にはA/Bテストと定性調査があり、ここでは「なぜ(Why)」ユーザーがその行動にたどり着いたかが分かる。
更に深堀りするとそこには競合調査が存在し、外部要因によるサイトパフォーマンスへの影響が浮き彫りとなる。
そしてその先に見えるのがインサイトであり、最小にして最も重要なデータだ。
インサイトにたどり着くためのメトリックスを見つけ出す上で、以下の間違いは絶対に犯してはならない。
・総PV数や総ダウンロード数といった、次第に蓄積され、現状のパフォーマンスを図るには全く意味の無い数値を追いかける。
・どうやっても好影響を与えることの出来ない数値を追いかける。
・全てのユーザーの平均直帰率といったような、平均値を用いてサイトパフォーマンスを評価する。
では適切なメトリックスとはいったいどんなものなのだろうか。
・シンプルで理解しやすい
適切なメトリックスであれば、チームメンバーに時間をかけて数値を説明する必要はないはずである。
・関連性が高い
ビジネスに全く関係の無い数値を報告しているなんてことはないだろうか?
・タイムリー
古いデータは直近のデータほど価値はない。前四半期のリード総数は、今期のマーケティング予算を決める上で役には立たない。
・すぐに使える
他のチームメンバーは、メトリックスの報告を受けるや否や次に何をすべきか理解出来るはずだ。
追いかけるべきメトリックスは、成長のステージに依存する。
まず最初の段階では、プロダクトマーケットフィットに必要なメトリックスを追いかける。
次のステージは成長フェーズへの過渡期にあたり、ここでは各種コンバージョン指標を追いかける。
そしていざ成長フェーズにさしかかれば、各種指標の最適化、スケールに必要なメトリックス、そしてネットプロモータースコア(顧客ロイヤルティを測る指標)にとりかかる。
では実際にどのようにメトリックスを選べば良いのだろうか?
3つの鍵となるエリアに焦点を当てよう。
・ユーザー獲得
どのように新規顧客を見つけ出し、獲得するか
・行動
どんな行動が高いリテンションやエンゲージメントにつながっているか
・成果
どんな成果が最もあなたのビジネスにとって重要なのか。マクロ・コンバージョンなのか、それともミクロなのか。(後述)
ミクロ・コンバージョンとは、メールマガジンの登録、チュートリアル/レポートなどのダウンロード、セッションごとのPV数、コンテンツのシェアなどを指す。
マクロ・コンバージョンは、商品の購入、サインアップ、無料トライアルの開始などを指す。
最も重要なメトリックスにたどり着くためには、5つのステップをたどる必要が有る。
1.ビジネスの目的を決定
存在価値や達成したい目的を明確に定めよう。
2.目的の達成に向けたゴールを決定
具体的に「成功」のイメージを定めよう。
3.KPIを決定
あなたが成功しているのかどうか見極めるための指標を定めよう。
4.ターゲット値を設定
KPIがどれほどまで伸びれば満足なのかを判断しよう。
5.ユーザーをセグメントに分類
KPIの達成度を性格に計るために、どのユーザー群を追いかければ良いのか決定しよう。
*例えば直帰率は適切な診断指標になりうるが、KPIになることはない
例えばアマゾンを例に取ってみると、以下のような結果となる。
目的:製品の販売
ゴール:売り上げの向上
KPI:平均注文金額
KPIではないもの:Retweetの数
ターゲット値:42ドル
セールスフォースの場合は以下の通りだ。
目的:アカウントの増加
ゴール:売り上げの向上
KPI:ユーザーあたりの売り上げ増加
KPIではないもの:PV数
ターゲット値:95ドル
重要なメトリックスは、ビジネスのタイプにも依存する。
・取引型
カスタマーは商品を購入する
・コラボレーション型
カスタマーはあなたのプロダクトを通じて何かを作り出す
・SaaS
カスタマーは、あなたのサービスの利用契約を結ぶ
・メディア
カスタマーは、あなたのコンテンツを読んだり消費したりする
・ゲーム
カスタマーはあなたのゲームをプレイする
・アプリ
カスタマーはあなたのアプリを利用し、対価としてフィーを支払う
取引型に典型的なメトリックスは以下の通りだ。
・平均注文金額
一回の注文あたりの平均注文金額を指す。
・顧客生涯価値
1人の顧客がサービスの利用を止めるまでに支払う金額の総額を指す。
・訪問者あたりの収益
新規訪問者1人あたりの収益を指す。
SaaS型に典型的なメトリックスは以下の通りだ。
・月間継続収益
契約の基に繰り返し発生する月ごとの収益を指す。
・解約率
一定期間の間に解約したカスタマーの割合を指す。
・訪問者あたりの収益
無料トライアル利用者の中で有料契約を結んだ人物の数の割合を指す。
メディア型に典型的なメトリックスは以下の通りだ。
・訪問者のロイヤリティ
一定期間内における各ユーザーの訪問回数を指す。
・広告CTR
サイト内広告をクリックする割合を指す。
・セッションあたりPV数
セッションあたりのPV数を指す。
目的、ゴール、KPI、診断指標などを定義し、計測し、解析し、改善する。
最も重要なメトリックを探すことは、1つのプロセスである。
実際にやってみよう。
・アナリティクスを見直そう
何をトラッキングしているの? 今後は何をトラッキングすべきなの? 何を捨てるべきなの?
・本当に重要なものを見極めよう
ビジネスの目的やゴールと照らし合わせた時、あなたは本当に重要な指標をトラッキング出来ていますか?
・最も重要なメトリックを見つけ出そう
最も重要なメトリックは、1つ、多くても2~3つに限られる。それはいったいなんなのか? どのユーザーの手にあるのか?
Peter Borden, Growth Hacker SumAll
ピーターは、無料コンシューマーグッズ、eコマース、エンタープライズ向けソリューションに至るまで、幅広いプロダクトのマーケティング経験を持つグロースハッカーである。起業の創業者やCEOがグロースの立役者を必要としているなら、彼こそがまさにその男である。
Sean Ellis, CEO Qualaroo ( @seanellis )
ショーンは、QualarooのCEOであり、growthhackers.comの創業者である。Qualarooの前には、Dropbox、LogMeIn、Uproar、Eventbrite、Lookoutなどのマーケティングにおいてリーダシップを取ってきた人物である。
Qualarooについて
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・コンバージョン最適化の核となるツール
・A/Bテストだけで綱渡りするコストの高さを解消
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