0:はじめに

グロースハックやLEANと名がつく書籍に関して、沢山の本が本屋に並んでいます。

正直、どれから読み始めたらいいのかわかりません。海外本の翻訳だけでなく、日本での独自の解釈を踏まえた書籍はこれからも多数出てくると思われます。

過去、GHJでも推薦書籍企画として
グロースハック前に必ず読みたい本10冊
といった企画を実施しております。

今回は、上記企画の延長戦上として、グロースハックの図書館として新規で出てきた書籍に関する解説をしたいと思います。

1:「ハマるしかけ」

今回は、ニール・イヤールが執筆「ハマるしかけ」 使われ続けるサービスを生み出す「心理学」x「デザイン」の新ルール
という本を取り上げたいと思います。

書籍の内容に入る前に、ニール・イヤールに関しての軽くご説明を。

リサーチャーでありコンサルタント・心理学を得意とし、Hookedというモデルに関して執筆をおこないました。スタンフォードビジネススクールを卒業し、なおかつデザイン学科の卒業もしています。TechCrunchを始め、ハーバードビジネスレビューや、Psychology Todayなどへの寄稿も行っている人物です。

過去リクルート主催の、GrowthHackerMonth等で講演を行っており、日本にも何度か来日されています。

来日に関しての情報等は、VASILY グロースハックブログにて掲載されています。
海外の消費者心理学の専門家が語る、WEBサービスをユーザーの習慣の一部にする方法[前編] | VASILY グロースハックブログ

1:概要

フックサイクルの4モデルに関しての解説と、モデルごとの顧客を巻き込む仕組みに関して書かれています。本モデルの要点は、

①トリガー(きっかけ)
②アクション(行動)
③リワード(報酬)
④インベストメント(投資)

とされています。

これら4つは、1回のサイクルではなく何度も何度も顧客に提供される事によりハマっているという状況になる事につながります。

2:学べるポイント

1)報酬に関しての説明

 フックモデルについては、4つの要素に基づいて実施する仕組みです。どの項目も非常にためになる内容が記載されています。

特にユーザーが一番知りたかった、①トリガー(きっかけ)の要素に関してどの様に検討すべきかという部分は、内的・外的トリガーとして説明がされています。

しかし、グロースハックジャパンでは③のリワード(報酬)に関しての解説が非常に価値のある情報だと感じました。

多くの場合、リワードはバッジを与える事やユーザーに対してコストに見合うお金などを支払う事と考えられがちです。

しかし、実際はコミュニティかたら与えられるちょっとした評価やアプリケーションからのコメント等がそれにあたるとされています。

明確に数値化できないけれども、ユーザーがぼんやりと感じられる予測不可能な価値が、フックモデルに必要な価値とされています。

2)実際のモデルを交えた解説

 GHJ系の書籍に多い傾向ですが、○○を実施することによりxx%の効果が出た。

といった物や対象サービスのみに特化した解説が多いです。自社サービスに照らし合わせた際に同じ事ができるかというと、多くの場合参考にしかなりません。

本書籍では、効果が出る理由性や概念的な部分での解説を厚く実施しています。自社サービスにおいてどうか?といったものや、これから作りたいアプリにおいて指標とすべき部分等を学ぶ事ができます。

3)読み方についてのポイント

 GHJは、この書籍を読んだときに、読み方に関してポイントがあると感じました。

章の最後には、今すぐやってみようという項目が用意されています。

例えば、①のトリガーであれば、あなたのサービスのユーザーは誰だろう?といった事や、ユーザーの習慣化の直前に実施している行動は何なのかイメージしてみよう、といった事になります。

本書籍は、非常に読みやすく本項目に関して読み飛ばしがちですが、一旦書籍を閉じて自分のサービスにおいてどう当てはまるのかを考える事が重要です。

そこで、すんなりと回答が出てこなければ自分のサービスに関して深く考える事が必要です。

また、質問意図が不明瞭であれば対象の箇所を再度読み直す事が求められます。

3:最後に

グロースハックは定型的な知識・スキルではなく、広がりを持った能力となりつつあります。

グロースハックジャパンは、これからも新刊や古典も含めて推薦書籍を解説したいと思います。

もし、買おうか悩んでいるから解説してほしいといったものや、自薦他薦で書籍ございましたらFaceBookページにてコメントお願いします。