@:はじめに
海外のベンチャーキャピタルへの出資面談を行う場合、直接現地に出向きプレゼンテーションを行うイメージがあるだろう。しかし、その前にビデオでのプレゼンテーションを求められます
アメリカ内に在住していたとしても距離がある為、いきなりの打ち合わせが難しく、オンラインであったとしても双方の時間を調節するのがコストになります。
その反面、シンプルに何度も確認ができるという点やベンチャーキャピタル側で一方的にチェックが可能なyoutube動画での確認というのは簡単です。
実際、Y Combinatorでは、
”Please enter the url of a 1 minute unlisted (not private) YouTube video introducing the founders.” と(1分間Youtube)の動画を撮影して投稿する様にと、Apply のページに記載されています。
でも、いきなり動画を撮影しろと言われた所で現役の実況主かYoutuberでもない限り、大きな壁となるのではないでしょうか。
そこで、Y Combinatorの過去の掲載動画やフォームの注意書きを翻訳しつつ、GrowthHackJapanの視点で解説を行います。
http://www.ycombinator.com/video/
1:どの様なビデオを求めているのか?
エントリーに際し、以下の注意事項が記載されています。
ビデオの中では、
・自己紹介
・何をやっているのか?なぜそれを選んだのか?
・Y Combinatorのプロジェクトに何をもとめるのか?
以上3点をyoutubeにアップロードして下さい。
※動画は、非公開モードにされると見れないので注意して下さい。
①加工はするな!
そのビデオには、創業者以外の会話は必要ありません。
スクリーンショットや編集を加えないでください。
私たちは、このビデオを映像コンテストとしてはいません。
だから、映像をクールなものにする時間を費やすのなら、デモや製品に時間を注いで下さい。
②原稿を用意するな!
事前に用意した原稿を読み上げる事はやめて下さい。
自然に友達と話す様な動画を用意して下さい。
スピーチを記憶してしゃべるのも認められません。
(テキストをスクリーンに表示して見るのももちろんダメね。)
③演じるな!
あなたが偉大な役者になってはいけません。
誇大な表現や偽の演技力は、本当に伝えなければ行けない洗練されたメッセージを隠してしまいます。
④BGMはいらない!
BGMは絶対に入れないで下さい。
私たちは、ランダムなBGMにいらだちを覚え10秒で動画を見るのをあきらめます。
⑤チェックする様に!
Youtubeを提供する前に、自分でそれを再生し何を言っているかチェックをして下さい。
私たちは、ビデオを見ていると重要な部分が聞こえなかったりします。
もしエントリーが完成したのであれば、聞こえるようにビデオを改善して下さい。
2:模範的失敗動画と目標とすべき動画
さて、では模範的失敗動画を見ていただこう。
■Sidepaths.com
https://www.youtube.com/watch?v=SoUEsJ2Mxa0
感想:Sidepaths.com いいサービス名だ!
えっと、それ以外なにしゃべってたっけ?
Y Combinatorの担当者は、おそらく苦笑いしならがらこの動画をみたか、Sidepaths.com の2回目のアピールの時点で、別の動画を閲覧する事になったのではないでしょうか?
■Inventory
感想:デモを見せるのはいいけど、ピントあってないよ!
ビデオ見返した?
http://campaign.wearhaus.com/にて現在ではヘッドホンをデザインしているRichie Zengの動画です。どこに視線を置いたらいいかわからなくなると感じます。
■80,000 Hours
https://www.youtube.com/watch?v=U2Ocfh_6rzY
感想:きっといいプレゼンなのに聞こえない。
http://80000hours.orgを運営するチームのアプリケーションです。おそらく動画を聞く為に、音量ボタンを押した事でしょう。これもチェックすれば気がつけたミスだと思われます。大きすぎる音もあれですが、集中して何をしゃべっているのか聞いてしまうと内容が頭に入ってきません。面白いプロジェクトなのに‥‥。と思ってしまいます。
さて、模範的な動画は以下になります
■Optimizely
感想:すばらしい!
みんな大好き、Optimizelyである。
彼らのプレゼンテーションは、前述したチェックポイントももちろん網羅されていますし、以下の3点が優れています。
①フレンドリー
彼ら2人が非常にフレンドリーな会話でプレゼンテーションをしている点に気がつくと思います。
まるで、ネットワーキングの際に何の事業をやっているか紹介する時の様な軽さです。
笑顔も不自然ではなく、好意的な印象を与えてくれます。
②アイコンタクト
アイコンタクトは重要です。彼らは、読み上げたら次は自分だ!という様な台詞回しではなくアイコンタクトでコミュニケーションを取っています。視線もまっすぐ見続ける威圧的な形式ではなく、所々泳いでいます。
③シンプル
自己紹介→サービス内容→サービスをやる理由、という3段説明が1分間で納められています。一応3分程度までは受付てくれるイメージがありますが、担当者は数千本のビデオを見続けるとの事です。そうした時に3分のビデオが与える印象はおそらくNGでしょう。
3:最後に
これらのY Combinatorの動画では、良い例・悪い例両方を見つける事ができます。完璧なプレゼンというのはもちろん存在しません。しかし、世界にインパクトを与えるプロダクトであったとしてもプレゼンテーションが微妙であれば、製品も微妙とすぐに判断されてしまいます。
また、言語的に不利な状況がある中での挑戦となります。
以下の事項を守り相手の求める動画プレゼンを行いましょう。
①シンプルな動画
・加工やBGM等を使わない
・演じない
②チェックを怠らない
・音が小さすぎたり・大きすぎたりしていないか
・緊張しすぎていないか
・目線や体の動きに違和感がないか