1:はじめに
前回の、書籍レビューの第二弾になります。
次は、「リーン・スタートアップ」もしくは「デザイン思考は未来を変える」をレビューしようか悩んでいたところ
本屋である一冊の本を手に取ってしまいました。
それは、「世界一即戦力な男」著者 菊池 良である。
インターネットを活用した求人活動において大きな大勝利を上げた人物の自叙伝です。
え、この手の組み方ってまさか・・・ジョブス?
どう考えても一発ネタの本である。
お金の無駄だったか・・・と読みながら思った。
しかし、最終的には本書籍において、多くの気づきがあった。
その為、今回は「世界一即戦力な男」のレビューをする事としたい。
2:インターネットを活用した求人活動
インターネットを活用した求人活動に関しては、まだまだ黎明期である。
人事部は各人のtwitterアカウントを検索し人物に問題がないかチェックしていると言われています。
Facebookも成人前までたどりどの様な人物像なのかを見いだそうとします。
これらはもちろん禁じられた調査方法ではありません。
でも、働く側からするとちょっと嫌なやり方に感じます。
しかし、菊池氏は逆だった。
アピールする為に、ネットに顔を出し自分を売り込む事を始めたのだ。
■ホームページ http://www.sokusenryoku.me/
さて、日本や海外においてまだまだ少ない自己アピールの就職活動に関して取り上げていきたい。
①日本での事例
本書籍でも記載されているが、
逆就職活動という形での活動は、菊池氏が先駆者ではない。
メチャクチャにヤバイ就活生近藤佑子を採用しませんか?が先駆者である。
菊池氏がネタでインパクトを取りにいったのとは異なり、近藤佑子氏のブログはかなりまじめな印象を受けた。
(といってもウサギ柄の・・・。等と書いてあったりもするのだが)
②海外での事例
ユニークなオンライン履歴書は海外においてはそれなりに数がある。
その中でもクオリティが高いものを何点かご紹介したい。
amazonのショップ風表示 Philippe Dubost
Katie Briggs ニュースサイトのインフォグラフィック風
QRコードがしゃべる履歴書
3:書籍の良いポイント【洗練された暴走力】
自叙伝というのは、”僕はこれをやったぜ!” といったものや ”わたしは、これを成し遂げたわ!”という事が書かれているのだが、一歩間違えると鼻につくエピソード集となってしまう。
その点この書籍は、自叙伝のジャンルに入れていいのかどうか悩む程、菊池氏が暴走する本になっています。
”僕はこんなしょーもない事ったぜ” とか ”こんなに僕はアホなんだよ!”という極限までどうしようもない事例で溢れています。
一例としては、
・二代目水島ヒロ襲名
・宗教の教祖となる
・詩人を目指す 等
一貫性のない暴走行為の羅列。
しかし、最後にはLIGに入社するという
逆転ホームランをあげるわけだ。
4:グロースハッカージャパン的なレビュー
さて、本書籍を取り上げた理由は、単に菊池氏のファンだからではない。
グロースハッカー的な素養を持っていると、何度も感じた。
①失敗をめげない
グロースハックに必要なのは、質の良い失敗を繰り返す事である。
②挑戦する事
詩人や料理家を目指す暴走性は、一貫性はないとはいえ挑戦する能力の裏返しである。
この本において、菊池氏は挑戦し続けている。
自分のプライドや過去の経験則から人は挑戦する事に対して億劫になりがちである。
そうしたときには、是非菊池氏を参考にしてもらいたい。
③プロジェクトマネージメント能力
この本を読んで初めて知ったのだが、
話題となった菊池氏のサイトは、彼がデザインしてコーディングしたわけではない。
むしろ、自分のスキルによって洗練させるのではなく
多くの人達を巻き込んで質のいいものを作った事がわかる。
グロースハックにおいて必要不可欠な能力は人を巻き込むことである。
上記4つの理由で、彼は非常にグロースハッカー的な素養を持っていると判断できる。
5:まとめ
自叙伝でありながら、何もうらやましくない書籍ではあった。
しかし、繰り返しとなるが彼は若気という一言でくくるには、惜しい程の挑戦心を持っている。
そういった意味合いでは、常識を超えた発想ができそうな意味で”即戦力”というキャッチコピーは正しと思われます。
菊池氏の今後の活躍を、グロースハッカージャパン一同応援しています。
※ちなみに、最近では仕事のさぼり方に関して書いてます。
http://liginc.co.jp/life/business/101147
就職してもギラギラ輝いている様で安心しました。