【アプリ設計】ソーシャルゲーム以外でも使えそうな10個のゲーミフィケーション

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記事協力:株式会社 電通


電通の片山氏による寄稿記事。同社ビジネス・クリエーション・センター事業開発室でアプリのグロースハックに携わる片山氏に、ソーシャルゲームでユーザーを惹きつけるためによく使われている10個のゲーミフィケーションについて、その概要とゲームアプリ以外での活用例についてまとめて頂きました。

ソーシャルゲームにはユーザーに長く、深く、そして最もお金を使って遊んでもらうようにユーザーを引き付けるゲーミフィケーション施策が多数施されているのは周知の通りかもしれません。一方で、地図アプリやニュースサービス、電子書籍、最近業界熱の熱くなっているヘルスケアなどノンゲームのアプリには使われていない施策も多いのが実情です。

そこで今回はこういった施策は本当にゲーム特有のものなのかも含めて、ソーシャルゲーム以外のノンゲームアプリでも使えそうな、一般的なゲーミフィケーション施策について調べてみました。最終的に本記事では、筆者のプレイした実例のソーシャルゲームやアプリのキャプチャだけではなく、その応用例としてのイメージや注意点も含めて10個のゲーミフィケーション施策としてまとめてみました。
*IGNIS、GungHo Games、サイバーエージェント、コロプラ、mixiの計5社のソーシャルゲームを対象に調査を実施。

ログインインセンティブ

毎日アプリに来たくなるオーソドックスな仕組み

最初にサービスにログインした後にポイントやアイテムなどを定期的に付与する仕組みです。これにより、毎日ソーシャルゲームにログインしているなんていう方も多いのではないでしょうか。離脱率を下げる重要な施策です。また、そのアイテムはコレクション的な位置づけのスタンプや記念などプレミアム間の多いアイテムよりも、例えばゲーム中に使うとちょっと長く遊べたり、既存のキャラクターやカードを強化するものにして、ゲーム内部での回遊性向上をはかっています。
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図1:ガールフレンド(仮) サイバーエージェント

ゲーム以外でも例えば日用生活品を扱うイーコマースや広告モデルで収益化しているコラム配信系のメディアなど、毎日定期的にアクセスしてもらうことが重要なサービスであったり、ユーザーへ使ってもらう上で、何か共通のポイント通貨などが敷かれているサービスである場合、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。毎日もらえるようにアイテムを設計する運用と、ときどき違うレパートリー(ある週だけ別のアイテムがログイン時にもらえるなど)での展開がコツのようです。

招待コード

ユーザーの誘因だけでなく、レビュー対策に

各ユーザーに固有の文字のコードを割り振ります。割り振られたユーザーが、そのコードを別のユーザーに教えて、別のユーザーが招待コード入力画面にその特定のコードを入れると、特典がもらえるという仕組みです。この仕組みが出た最初はユーザーが別のユーザーを誘うことを純粋に狙ったものだったのですが、今はレビュー対策を中心に貢献しています。レビューを書くダイアログにコピーして貼れるようにしています。レビューに「おもしろい!」と書きながら招待コードを据えているソーシャルゲームは良く見られますね。
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図2:モンスターストライク mixi

ゲームでは無いアプリでも導入ハードルは低く、実装するといいかもしれません。一方で人を招待すると使える特典なので、ユーザーちゃんとハマっているということが大前提になるので、例えば少なくとも星が3つ以上はちゃんとついているアプリであることを予め確かめておきましょう。TwitterなどとSNSと連携してつぶやけたりするものも増えております。攻略本的なアプリの方でも役に立っているみたいです。

期間限定キャンペーン

時間で制約を作り、ユーザーを活性化

ゲーム内のキャラクターやアイテムを使う基本的に有料のガチャにて期間限定で新作を入れたり、確率変動を変えたりする課金型と、期間限定で新しいステージやこの時間でしか戦えないボスやチームバトルなどを繰り広げるコンテンツ型に分けることが可能です。ユーザーを飽きさせない、その期間だけであることにより、ユーザーの体験価値をあげて射幸心を増幅させる、ゲームにおいては重要な施策で有ると言えます。
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図3:ケリ姫スイーツ ガンホーオンライン

これは例えば地図アプリで期間限定でイベント情報を掲載したり、ニュースアプリで限定コラムを出してみるなど、あえて時間的にプレミアムであることを利用してユーザーを満足させることができるかもしれません。ECでは比較的早い段階で期間限定セールなど活用はされている概念ですが、ECの場合はリアルでもタイムセールがあるので、別のルーツで同じ施策が有効って言えるのは面白いです。

非課金通貨

課金の価値を逆に挙げていく、継続施策に

ゲームでは課金して変える通貨とは別に(なぜかクリスタルとかダイヤ、ルビーなど宝石っぽいのが多いです。)、敵を倒せば継続的にもらえるお金が別に設定されていたりします。これを使うことで、あまり課金をしないユーザーもちゃんと回遊させて、ゲーム自体を盛り上げたり、ストーリーの中でのゲームバランスを保つために活かされていたりします。友情のポイントでガチャを引かせて、非課金でもちゃんと遊べる部分を担保しているソーシャルゲームが多数見られるのもそれです。
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図4:ケリ姫スイーツ ガンホーオンライン

ノンゲーム分野ではこの事例はあまりみられていませんが、課金率とは別にユーザーが使う上でルールや制限を設けたり、デジタルのインセンティブを作っていく上で有効かもしれないと思っています。例えば電子書籍などでこれが貯まることで、新刊が早く手に入るというだけでも結構ニーズがあるかもしれません(電子書籍はちゃんと買ってもらう。)。また、この非課金で買える通貨が貯まりやすかったり、強い課金して手に入るインセンティブも手に入ってしまったり、あまりに手に入りにくいと、ユーザーが離れていったり設けた意味がなくなってしまうため、そこに精緻なユーザーテストが必要です。有効に活用してガチャのプレミアム感を相対的にあげるように使ってゆけると思います。

データ量拡張

ガチャの前に課金通過を使わせる。

ゲームにおいて、キャラクターの保有数やカードの所持枚数を増やす際に、課金アイテムで拡張するというものです。あえて制限を設けることで、課金の必要性を再認識させます。ガチャよりも容易にすることで、課金用の通貨を使用するハードルを下げているという側面もありそうです。AppleのTierの構造をうまく使って、例えば6個単位で課金通貨を売り、ガチャは1回課金通貨を5個で運用して、残った1個の課金通貨をそこで使わせるような設計になっていたりします。
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図5:モンスターストライク mixi

Dropboxのように容量で元々ビジネスをしているサービスはもちろん、その他の名刺管理などビジネスツールのアプリなどでも活用ができそうなポテンシャルを感じます。これもゲーム性と同じでバランスが非常に重要で、基本的に必要になる容量とユーザーの導線を見極めて、少なすぎないようにするのがポイントです。また、競合のサービスがやっていない場合はそれがそのまま弱みになってしまうので、ノンゲームでは上級者向けのゲーミフィケーション設計の策なのかもしれませんね。

目玉カード(コンテンツ)の紹介

わかりやすい特典を作ることで収益へつなげる

ゲームで目玉となるコンテンツをログイン時の最初に出したり、ガチャのページに出したりする施策です。ユーザーに俗に言う「ニンジン」となるコンテンツを目の前にぶら下げることでゲーム内のキャンペーンやガチャへの参加をあおります。これと掛け合わせて、レアなカードの出現率を上げたりする施策を並行して実施しているゲームもありますね。
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図6:覚醒メイデン IGNIS

ノンゲームでも注目のアイテムや新商品、新しいコンテンツなど、推せるものがたくさんある中で、そのアピールがなんだか苦手だったりしているのを見かけます。これはぜひポップアップを仕込んでその表示可否や内容をコントロールするCMSを作って活用していってほしいですね。これは特典のインパクトも大事ですが、何より定期的にやることであったり、他の施策とバッティングしすぎて、訴求点がぶれて、ユーザーの興味関心を逸らさせないことが大切です。

長めのチュートリアル

わからない状態を失くしてユーザーに長く使ってもらう

ゲーム開始時に効果や冒険の流れを説明するためにチュートリアルを数ステージに渡ってわけながら進めている冒険ゲームやパズルゲームをよく見かけます。これにより、効果が多くなりがちなゲームを飽きさせないでかつ遊びながら学ばせていきます。
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図7:モンスターストライク mixi

ノンゲームは比較的ゲームに比べては操作内容や留意点が少ないものも多いですが、ユーザーの視点にもう一度立ちながら、導入検討をしていくことが大切ではないでしょうか。アプリを立ち上げた初期の画面遷移型のチュートリアルと使い方ページ以外にもぜひそういう設計を取り入れてわかりやすいアプリが増えていくといいですよね。

ガチャと他段階課金アイテム

同じものでもパッケージ化して有効にまとめ売り

ゲーム内ガチャが何段階にも分かれている仕組みです。例えば1回ガチャを引くのが5通貨でも、10回引く時は30通貨でいいパックなどを用意しています。同じ商品でも、これによってボリュームをコントロールして、ユーザーモチベーションに併せて段階的にモチベーション管理することで、活性化してゆけるのだと思います。
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図8:ガールフレンド(仮) サイバーエージェント

ノンゲームのアイテムでも例えば、同じ商品でもまとめて買ったらやすくなるとか、そういう仕組みを入れていくことがもっと可能ではないでしょうか。これは商品数が多すぎると却ってわかりにくくなるので、2,3個に分けているのがポイントです。

お詫びにインセンティブ

ピンチでユーザーを失わない設計

ソーシャルゲームでは不具合やお詫び時にアイテムを付与しているものが大変多いです。これによって怒ったユーザーを戻して、元のモチベーションと同じかむしろ高く、ゲームに戻していきます。
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図9:モンスターストライク mixi

ノンゲームでは仕入れがある商品や別のプラットフォーマーや参加者から提供されたものも多いので、むげに多用はできませんが、大規模なトラブルが発生した際には、応用して活かして行ける施策であると言えます。課金バランスが崩れるので、当然多用は禁物ですし、そもそもこういったことが起きないサービスにすることが理想ではありますが。

スコアとランキング

アプリへのモチベーションに競争心を活用

スコアによってランキングが出るキャンペーンを実施して競争心を煽ります。これによって、ユーザーが頻繁に遊ぶようになったり、参加意識を高めていきます。景品で釣って更に競争心を煽っていくサービスも多数見られます。
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図10:覚醒メイデン IGNIS

健康系のサービスで運動量を競う仕組みにも既に採用されていたりしているので、ユーザーが使えば使うほどメリットがあるサービスには有効な施策かもしれません。これもやりすぎると効果が薄くなったり、一部の競争的なユーザー以外もちゃんと救われるような救済やインセンティブの仕組みも導入していく上で最適なバランスで実施することが求められます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。最適そうでも今応用しきれていないものも多数ございますので、グロースハッカーとしてチームに提案するのも読者の皆さんの役目かもしれませんよ。今後のアプリのユーザー導線設計の一助になれば幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。





Author Profile


大学院生時代からWEBサービスづくりに携わり、現在、電通の事業開発系の部署に所属。 入社後も、電子書籍、画像認識、地図アプリ、ニュース配信、ヘルスケアといった、ノンゲームを中心としたスマートフォンアプリケーションを最初の設計~プロモーション運用まで様々な立ち位置で担当。 会社の新しい稼ぎを探すべく奮闘中。


片山智弘

Author: 片山智弘

大学院生時代からWEBサービスづくりに携わり、現在、電通の事業開発系の部署に所属。 入社後も、電子書籍、画像認識、地図アプリ、ニュース配信、ヘルスケアといった、ノンゲームを中心としたスマートフォンアプリケーションを最初の設計~プロモーション運用まで様々な立ち位置で担当。 会社の新しい稼ぎを探すべく奮闘中。

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