画像・動画コンテンツ共有サイト「Pinterest(ピンタレスト)」。
日本では2013年の11月に正式なローンチを迎えましたが、皆さんはもう利用していますか?
「好みのWEBコンテンツを共有することがその人を知るための一番の近道」というアイディアから始まったピンタレストは、2010年のローンチ以降、全世界で女性を中心とした7,000万人のユーザーを抱える大人気ソーシャルメディアへと成長しました。目を見張る急成長はユーザー数だけでなく、月間25億ページビュー、登録起業アカウントは50万という数字にも表れています。
フェイスブックやツイッターなど、ソーシャルメディアの競争が激しさを増す中、たった数名の創業メンバーでローンチしたピンタレストは一体どのように急成長を遂げたのでしょうか?
急成長の裏側には、ユーザーの心を掴む5つのグロースハックの存在があったのです。
プレミアム感満載のサインアップ
グロースハックで有名なドロップボックスがサインアップをとことんシンプルにした故の成功であれば、ピンタレストは正にその流れに逆行しました。
現在はユーザー数の拡大に伴いフェイスブックかEmailでのサインアップのみ可能ですが、以前は「招待状をリクエストして、数日後にメールで届く招待状を開封する」ステップを踏まないとピンタレストに登録することが出来なかったのです。一見不必要とも思えるこのステップですが、「特別」、「限定」、「スペシャル」などのプレミアム感を好む女性を中心としたピンタレストユーザーには招待状のリクエストが大ウケしました。ユーザー層を上手く捉えたユーザー獲得技術と言えるでしょう。
フェイスブックログイン
今やユーザー獲得術の定番とも言えるフェイスブックログインですが、そのアーリーアダプターの1つがピンタレストでした。
ピンタレストはフェイスブックログインを活用することで、
- ・ユーザーが面倒な登録作業を行わずに済む
- ・フェイスブック上の友人と自動的につながり、登録後すぐにピンタレストを満喫出来る
といったメリットを生み出し、新規ユーザー獲得及びアクティベーション(初回体験)を最適化したのです。
関心調査と自動フォロー
ピンタレストのアクティベーション最大化に貢献したもう一つのアイディアが関心調査です。
ピンタレストユーザーは、アカウント登録完了直後に自身の興味関心のあるトピックを選択するよう促されます。ここまでは大概のソーシャルメディアが既に実践していましたが、ピンタレストはユーザーが登録した関心情報に基き、自動的に関連性の高いユーザーをフォローさせる「ちょっとした荒業」に出たのです。
これにより、フェイスブック上の友達が誰もピンタレストを使っていなかったとしてもユーザーは登録後すぐにピンタレストを楽しめるようになり、アクティベーションの最適化が実現しました。
一画面化を極めたUI
他のソーシャルメディアと圧倒的な差別化を測ったのが、ピンタレストが誇る1画面化を極めたユーザーインターフェース。
ピンタレストユーザーは、
- ・他ユーザーのピンボード(≒フェイスブックのタイムライン)をチェック
- ・リピン(他ユーザーのボードからから好みのコンテンツを追加)
- ・コメント
- ・新しくユーザーをフォロー
- ・外部のコンテンツ元をチェック
- ・外部ソーシャルメディアで共有
- ・プロファイル及びピンボードを編集
といったピンタレストユーザーが日常的に使う機能を全て一画面で実行できるユーザーインターフェースを実現したのです。
更に、ピンボードは際限なくスクロールダウンすることが可能であり、その結果として、
- ・ユーザーは時間を忘れてボードに熱中
- ・ページ間の移動の手間が省け、ユーザービリティが向上
- ・滞在時間の向上に伴って、各ページの検索順位が上昇
という正に願ったりかなったりの成果を手にしたのです。
アラートメール
ピンタレストの定着率及びエンゲージメント向上に最も貢献したのは、驚く無かれEメールかもしれません。
ピンタレスでは、アカウント登録の瞬間にEメールアラートサービスへ自動的に登録が決定します。オプトアウトももちろん可能ですが、気付かずに利用していれば、最低毎週一回ピンタレストからフォロー中のユーザーや自身のピンボードに関するメルマガが配信されることになります。女性を中心としたユーザー向けにメルマガのデザインもシンプルながらオシャレな構成になっているあたりも、ユーザーの興味関心を再換気する上で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
サマリー
- ・画像及び動画コンテンツ共有ソーシャルメディアピンタレストの急成長には、5つのグロースハックが隠れていました。
- ・ユーザー獲得とアクティベーションを最適化したサインアップ戦略、そして定着率及びエンゲージメントを高めたUI設計とメールマーケティングは、今すぐ真似したいグロースハック技術です。