「シリコンバレーの起業家には大学中退者や高校中退者も多く存在し、枠にとらわれない思考が成功につながったケースが多く存在」
昨日執筆した「次世代のシリコンバレーは韓国にあり? 勢いを増す韓国スタートアップ業界の裏側と課題」の中で述べた一節です。
多くの人びとがが思い浮かべるのはせいぜいザッカーバーグ、ビル・ゲイツ、スティーブジョブズくらいですが、皆さんご存知のあの有名ウェブサービスのトップには、超優秀でありながら大学を中退して起業した人材が実に多いんです。
そこで本日は、「大卒なんて意味が無い!?シリコンバレーを彩る「中退起業家」 7人」と題して、学歴社会に風穴を開けた新進気鋭サービスの起業家7名をご紹介致します!
ドロップボックス共同設立者 アラシュ・フェルドーシ
フェルドーシ氏は、3年間マサチューセッツ工科大学に通った後、2007年に大学を中退しました。その後すぐに立ち上げたドロップボックスは瞬く間にユーザー数を伸ばし、フェルドーシ氏もドロップボックスのCTOとして27歳にして億万長者の仲間入りを果たしています。
ワードプレス創始者 マット・マレンウェッグ
マレンウェッグ氏は、20歳でヒューストン大学(University of Houston)を中退。
もちろん成績が悪かったわけではなく、コンピューターサイエンスの授業が彼にとっては簡単すぎたこと、既にワードプレスの開発を進めていたことなどが退学の主な理由ようです。
その証拠としてマレンウェッグ氏は退学と同時に様々な有名IT企業からオファーをもらい、最終的に就職を決めたCNETでは、「就労時間の15%をワードプレスの開発に費やして良い」という条件も確保しました。
マレンウェッグ氏はその後ワードプレスを提供するウェブ開発企業「Automattic」を設立し、たった140人のスタッフでワードプレスだけでも年間1億4千万ユーザーを、「Automattic」全体では5億人のユーザーを抱えるまでに至っています。
フェイスブック創始者 マーク・ザッカーバーグ
言わずと知れたフェイスブック創始者のザッカーバーグ氏。
映画「ソーシャルネットワーク」でもお馴染みのように、フェイスブックはザッカーバーグ氏がまだハーバード大学に在学していた2年生の時に学生寮の一室で始められたサービスです。
同年ザッカーバーグ氏はハーバード大学を中退。シリコンバレーへと移り住み、フェイスブックの運営に注力しました。
2012年にはIT企業最大のIPO価格1兆6千億円で上場し、現在では月間アクティブユーザー数が10億人を超えるウェブサービスに成長しています。
タンブラー創始者 デイヴィッド・カープ
大学はもちろんのこと、高校すら卒業していないのがタンブラーの創始者であるカープ氏。
16歳の頃には既に保護者向けネットフォーラム「UrbanBaby」のプロダクトマネージャーとして活躍し、卒業を1年後に控えた時点で高校を中退。 その後はタンブラーの前身である「Davidville」を設立し、現在タンブラー(Tumblr.)はアメリカで9番目に訪問数の多いウェブサイトとして知られています。
ヤフーによるタンブラーの買収に伴ってカープ氏はおおよそ250億円の資産を手にしたと噂されており、これぞサクセスストーリーといった感じです。
マッシャブル創始者 ピート・カシュモア
19歳にしてニュースメディア「Mashable」を創設したピート・カシュモア氏。
幼少時代病気がちだったカシュモア氏は、健康状態を理由に人より高校を2年遅れて卒業し、コミュニケーションの場をネットに求める中でウェブサービスに関心を高めていったようです。
その後大学に一度も通うこと無く19歳で立ち上げたマッシャブルは、現在では月間2,000万人のユーザーに支持されるメディアへと成長しています。
スポティファイ共同代表 ダニエル・エク
スポティファイの共同代表であるエク氏は、情報理工学の分野において世界的に名高いスウェーデン王立工科大学をたった8週間で中退。大学進学以前にも14歳で初めての会社を立ち上げたり、16歳でグーグルの正社員採用に応募したり(結局受からなかったそうです)、まさに稀代の天才児と呼べるでしょう。
21歳の時に共同設立した音楽のストリーミング配信サービス「Spotify」は、現在3,200万人の課金ユーザーを抱えているとのことで、採用しなかったグーグルも今頃真っ青な顔をしているかもしれません。
コードアカデミー創始者 ザック・シムズ
シムズ氏は、2011年にプログラミング学習サービス「Codeacademy」を創設するためにコロンビア大学を中退しました。 今回紹介する7人の「中退起業家」には所謂天才も多い一方で、シムズ氏がコードアカデミーを立ち上げたのは意外にも「他のクラスメートに比べてコーディングが得意じゃなかったから」だそうなんです。
コードアカデミーはたった2~3年の間に2,400万人を超えるユーザーを獲得し、昨年は約10億円の調達にも成功しています。
まとめ
本記事で紹介した「中退起業家」7人が元々非常に優秀な人間だったことはもちろんですが、有名なサービスの創始者にこれだけ多くの中退者がいると、大学教育に対する価値観が変わる1つのきっかけになってもおかしくありません。
大学を中退することがひとつの選択肢となって、より多くの若者が枠にとらわれない考え方でスタートアップに挑戦していけるようになればいいですね!