要改善箇所はいっぱい。でもどこから手をつければいいんだろう。」

本日は、そんなデータ解析駆け出し時にありがちな疑問を手軽に解決する、PIESフレームワークをご紹介します。

PIESフレームワーク

PIESフレームワークは、要改善箇所の優先順位を付ける為のフレームワークです。

一見するとどれも重要で、優先度が見極めづらい要改善箇所の数々を、手軽に順位付け出来るのがこのフレームワークの魅力です。

PIESは、Potential、Importance、Ease、Scoreの頭文字を組み合わせた造語であり、改善箇所の優先順位は、P、I、Eのそれぞれを1~10段階評価した際の和にあたるSの大きさによって決められます。(最低値は3、最高値は30)

それぞれの要素がどのような意味を持つのか、早速見ていきましょう。

P for Potential

PIESフレームワークのPは、Potential(可能性・潜在性)を表しています。

Pが測るのは、「この改善がどれだけポジティブな影響をサービスのグロースにもたらすのか」という可能性。ポジティブな影響をもたらす可能性が皆無であれば1、この可能性が強いほど10に評価が近づきます。

「可能性」の評価は、①アナリティクスの数値、②ユーザーの声、そして③経験則に基づいた仮説を判断材料に行います。

I for Importance

PIESフレームワークのIは、Importance(重要性)を表しています。

Iが測るのは、改善箇所の重要性。アプリの場合、誰も使わない機能やページであれば1、利用するユーザーが多いほど10に評価が近づきます

ウェブサイトの場合は、利用者数に加え、トラフィックを獲得する為に要したコストも考慮して重要性を測りましょう。(コストが高いほど重要性は10に近づきます。)

E for Ease

PIESフレームワークのEは、Ease(容易さ)を表しています。

Eが測るのは、改善にかかる工数。改善にかかる工数が高ければ1に、低ければ低いほど10に近づきます。

工数を測る際には、技術的な工数だけでなく、部署間の連携によって発生するコミュニケーションコストも考慮することが重要です。

S for Score

PIESフレームワーク最後の要素はS、Scoreです。

Scoreは、単純にP+I+Eの和を表します。「2+2+2=6=」と「8+8+8=24」の2つの箇所があれば、改善作業に際する後者の優先順位が高くなります。

以下の例を参考に、スプレッドシートで簡単に仕上げることが可能です。

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最後に

要改善箇所の優先順位付けは、データを読む力に加え、センスや直感も必要になると言います。

PIESフレームワークが唯一の順位付け手法ではありませんが、センスや直感は経験によって研ぎすまされるが故に、データ解析駆け出し時には手軽に使えるこのフレームワークを利用するのも有効でしょう。