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■はじめに

芸術の秋・紅葉の秋・そして食欲の秋。

機能追加といういつまでも続く欲望に負け、太りに太ったサービス。

万能ツールではあるものの、多機能であればある程、 サービスは機能不全を引き起こしやすいと言われています。

使いたい機能が分かりにくく、新規ユーザーは理解しにくい。 既存ユーザーは、目新しさを感じられず目減りしていく。

起死回生のリニューアルオープンは、まさかの大失敗となり ユーザーは減少する事に、なーんて事はよくある話です。 特に代替サービスがある場合には、本当に一瞬でサービスの終焉を 迎えてしまう可能性もあると言えます。

さて、リニューアルのノウハウの前に必要と言われているのは、 サービスのダイエットです。 愛着のある機能やサブサービスの削除というのは、 ダイエット以上に身を切る辛さがあります。

しかし、事業の集中の為にも選択し行動する事が重要です。 サービスを改善の為の黄金7箇条を学んでいきましょう。

■7つの方法

1:機能の抽出は網羅的に

機能の抽出は全体的に、網羅性を持って行う事が必要です。
コンサルティング的なワードでMECEという視点がありますが

重複なく・漏れなく実施する事が必要です。

個別機能を深く掘り下げれば機能数は増えますが、
検討量が多くなります。

機能を大枠で考えれば機能数が減り検討事項は少なくなりますが
本当に削らなければいけない機能が抽象度によって隠れてしまいます。

この点は、サービスの成熟度により深度が変わる分だと思いますので、
自社サービスに合う検討を実施して下さい。

2:削除するときには一気に実施する

チマチマと削除すると、その都度ユーザーは新たな使い方を学習しなければならず
疲弊すると言えます。
そのたびに社内の稟議を通して、機能を削除した事による影響を計測しなければいけません。
機能追加以上の作業が発生する事は間違いありません。

もちろん、一気に削除すれば学習の壁が大きくなり、一気に疲弊する面もあります。
しかし、一覧網羅的に変わった事をお知らせする事よりも
都度機能削除内容についてお知らせする方が難しいのは言わずもがなでしょう。

3:経営・開発担当者への根回しの徹底

サービス終了に伴い良く起きるのは社内的なトラブルです。
サービスの内情が見えるからこそ、批判的になりがちです。
また、削除してから指摘を受けて再度リカバリーさせるなんていう
事例も多々発生します。

そうした状況を避ける為にも、経営・開発両方の側面から
根回しを実施し、周知と納得を得る事が重要です。

4:ユーザーヒアリングを徹底的に

削除してからリカバリーする事程、面倒で無駄な事はありません。
そうしたトラブルを避けるために必須なのが、ユーザーヒアリングです。
顧客が機能として使用率が低い=使っていない機能ではありません。
逆に使われていない機能は、どういう側面で活用されているのか?

実際にユーザーにアンケートを取ったりインタビューをしてみましょう。

使われていない機能が、実は知られていなかっただけだったという事もあったりします。
コストをかけなくても、アンケートツールやソーシャル上でのヒアリング等
色々な手はずがあります。

5:代替サービスのご紹介

今までのサービスを削除すると言う事は、
そのユーザーが他サービスに行く事を認めると言う事です。
ユーザー視点に立てば、使えなくなるという事で不満点があり
代替サービスを探すというのに不便を感じるわけです。

ユーザーからすれば、提供サービスへ嫌悪感すら覚える事でしょう。
そうした時にはライバルであるという事を一旦棚におき、ライバルに顧客を提供しましょう。
また、流入支援という事で交渉できる部分もあると言われます。
ダイエットして利得を得ることもできるのです。
是非とも検討しましょう。

6:サービス削除のタイミング

サービス削除のタイミングはブーイングが出る部分です。
ソーシャルの中では、忌憚のないご意見が飛び交い、
サービス利用者は今後に不安を感じて、多少なりともユーザー減少の可能性も避けられません。

それを、新サービス提案によってオブラートに包み込むというのは戦略的に妥当と言えます。
サービス追加が少ない時期であれば、ユーザー利用が少ない時間帯などでのアナウンスを
心がけましょう。

7:改善において完成形はない

最後の1カ条は、サービスに完成はないという事です。
削除する事によって次に何に注力するのか?という事や
新たなゴール設定を行うという事等を考える必要性があります。

カド番の機能を作り、てこ入れをしつつ
次の削除する機能について焦点を当てましょう。

■最後に

いかがでしょうか? サービス担当者であれば、取捨選択を常に考えなければいけません。

太り太ったサービスに大ナタを振るうのには、上記7カ条を必ず目を通すことを お勧めいたします。