少し日にちは経ってしまいましたが、先日2月10日にKaizen Platformさんが開催した「Japan Growth Hack Awards 2015」のイベントレポートです。

Japan Growth Hacker Awards 2015

japan growth hack awards

本大賞は、Kaizen Platformに登録された1,300人以上(2014年11月時点)のグロースハッカーを対象に、クライアント採用数、採用率、勝率、報酬金額などを審査項目とし、計10部門の優秀なグロースハッカーを決定します。さらに、年間最優秀グロースハッカーとして、グロースハッカー・オブ・ザ・イヤーを決定します。日本で初めてのグロースハッカーに特化した賞です。

出典元:国内初、年間で最も活躍したグロースハッカーを表彰する「日本グロースハッカー大賞」を創設

日本初のグロースハッカーに特化した授賞式イベントということで、グロースハックをテーマに掲げている当メディアもイベントにお邪魔してきました!

(※なお、本文中の「グロースハッカー」は、Kaizen Platformに登録された1,400人以上のWebデザイナー、Webディベロッパー、コピーライターなど、Kaizen Platform上でのA/Bテストを通じてクライアントサービスのUI改善を行っている方々の総称として使っております。)

1部:Kaizen Platform, Inc. Co-founder & CEO 須藤憲司氏から開会の挨拶

Kaizen Platform特化型グロースハック

「高い期待と大きな課題感」
かつて大航海時代においては、船をつかって海に冒険の旅に出ても、生きて帰ってくるということが難しかった。その時代に羅針盤や地図、六分儀など技術が発達し、職人がその精度を上げていったことで遠くまで航海にでても生還率が上がっていった。今、技術革新が起きてグローバル化が進む中、時代の要請をうけて技術を駆使して成果をだしていくことが求まれている。

「何故グロースハッカーが必要なのか」
・競争過多:Webビジネスが当たり前の時代なっており、各社がしのぎを削っている。
・構造変化:今までのように、広告費を2倍にしても売上2倍にならない。効率が悪くなってきている。
・変化そのものの早さ:消費者のほうが動きが早く、今までの取り組みでは対応が難しい。

「Data Driven Marketing」
データを元に成果を出していくことが成長に繋がっていく。これはWebに限らずWebに限らず店舗の什器、DM、TVCMなどのオフラインについても同様。しかし、多くの企業がこれを実現できていない。マーケターが課題を分析し、デザイナーやエンジニアが実装する…という専門化、分業化のなかでうまくできているところは少ない。

「Kaizen Platform」
そういった企業の課題を解決するためにKaizen Platformというサービスを提供。立ち上げて約1年半で国内大手企業100社以上に導入。41カ国800社のアカウントで6,000回以上の改善実施。1,400人のグロースハッカーを抱え、なかには年収1,000万のグロースハッカーも。グロースハックの効果は複利×打席数で考える。一刻も早く開始し、とにかくテストを繰り返すことが成果に繋がる。

「特化型グロースハックチームの提供」
企業のニーズにあわせてECやスマホ、女性向けなど、それぞれに特化された10名程度のグロースハッカーチームを組織し、企業はチームの工数を1人月ずつ購入して10人それぞれの1ヶ月のリソースを10%ずつ確保することができサイト改善に当てることができる。1名を自社で採用するよりもリスクとコストを抑えながら高いパフォーマンスを出すことができる。

2部:日本グロースハッカーアワード表彰式

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クライアント採用数、勝率などを査定項目として、10部門の優秀賞及び、年間最優秀グロースハッカーとして「グロースハッカー・オブ・ザ・イヤー」が決定しました。

賞名称:受賞者
スマートフォンサイト部門:奥村 一弥氏(N)
eコマース部門:早川 学史氏 (EXDESIGN)
旅行部門:平田 啓介氏 (settenLab)
メディア部門:小柳 勝生氏 (やじるし)
人材サービス部門:福井 渡氏 (Oneoneo)
飲食部門:福井 渡氏 (Oneoneo)
サービス・そのほか部門:鎌刈 渉氏 (Pooyan)
クライアント最多採用部門:鎌刈 渉氏 (Pooyan)
勝率部門:井浦 英太郎氏 (PW)、雨宮 史朋氏 (Macapoo)、牧野 健太郎氏 (Split Engine)
女性向けサイト部門:今井 美智留氏 (BRK)
グロースハッカー・オブ・ザ・イヤー:小柳 勝生氏 (やじるし)

3部:グロースハッカーによるパネルディスカッション

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モデレーター:Kaizen Platform 鬼石氏
井浦 英太郎氏 (PW)
雨宮 史朋氏 (Macapoo)
平田 圭介氏 (settenLab)
ゲストコメンテーター:ロフトワーク諏訪氏

「結果を出すグロースハッカー」
稼ぐグロースハッカーになるために必要はことは何か。
井浦氏:Kaizen Platformのツールの中で、採用されるものは勿論、採用されなかったものを分析して、次回以降の提案に活かしていく。
平田氏:改善前のサイトを細かく分析して、ユーザーの気持ちになってみて考える。
雨宮氏:クライアントのゴールを理解して、何をして欲しいのかを理解する。
諏訪氏:成果のでるデザインをシステマチックに作りあげていくのは難しいが、学習し、どんどん改善していけるのがいい。

「場所を選ばない働き方のメリットとは?」
井浦氏:家でも海外でも、場所に関わらずどこでも仕事をできるのがメリット。
平田氏:生まれも育ちもずっと沖縄。そういった状況でもだれでも知っている企業やブランドに対してもチャレンジする機会がある。
雨宮氏:場所を選ばらない働き方というのが当たり前になってきている。福岡は市をあげてITにけっこう力入れてたりするし、東京で人手が足りてないところを地方の優秀な人材が補えるというのは企業にとってもいいことだと思う。
諏訪氏:仕事に戻りたいけど戻れない、そういった人たちがKaizen Platformで生計を立てられるようになれば地方で働く人も増えてくるのではないか。

「グロースハッカーになって生活がどう変わったか?」
井浦氏:一般的なサイト制作だと成果が数値として見えづらいところもあるが、自分の作ったデザインで成果がわかるのでハリがでる。その結果として報酬をもらえるという幸せ。
平田氏:良くも悪くも結果が数値でわかる。自分で考えたことが数値でわかるのは魅力。
雨宮氏:ナショナルクライアントの業務に携わっているということは、ビジネスをやっていく上での営業上の強みにもなる。
諏訪氏:広告代理店殺しのエコシステムだね(笑)ツールとの付き合い方が重要。これだけやっていてもWebサイトの作り方がわかるわけではないが、こうすれば成果出るんだ!というのを実感できたり、スキルを伸ばせるというのはいい。

「グロースハッカーの4つの価値」
1.仮説検証・スキルアップ
2.場所を選ばない
3.大手企業への実績
4.新しい収入手段

まとめ

今回、日本初の”グロースハック”をテーマにしたイベントということで参加してきました。そのなかで大きく以下の2つのテーマがあったかと思います。
1.Webビジネスの変化
2.働き方の変化
前者でいうと構造変化により、今までのようなWebマーケティングの在り方ではなく、より早くより柔軟な動きを企業が求められるようになっていること。後者でいうと、その変化のなかで場所や時間を選ばない働き方をする人が増えてきていること。Kaizen Platformではそういったなかで、企業に対しては新しいWebビジネスの在り方を、グロースハッカーに対しては新しい働き方を提供しています。

日本では「グロースハック」の定義自体がまだまだ曖昧ですし、A/Bテストだけがグロースハックではないですが、この変化を先読みして柔軟に対応していくことが企業にしても、プロダクトに関わっている人々にも求められるのかと思います。