コンテンツマーケティングはアートとサイエンスが出会う世界です。有益で利便性の高いコンテンツを強く求める消費者の声に応えるため、ブランドはオリジナルコンテンツやトップパブリッシャーから適切なタイミングでライセンスされた関連性のあるストーリーを掲載するための編集室を立ち上げています。何故でしょうか。コンテンツマーケティングには、エンゲージメント、コンバージョン、さらにはセールスさえも、ビジネスに大きなROIをもたらす可能性を秘めているからです。魅力的な動画、ブログ投稿、インフォグラフィック、マルチメディアが、コンテンツマーケティングのクリエイティブ、アートの側面を担っています。では、サイエンスについては? コンテンツマーケティングの日々の努力を数量で測るプロセスは、クリエイティブな人々、とくに日頃アナリティクスやKPI計測の予測ツールを使っていないような人にとっては、なかなか気が重いことに思えるでしょう。コンテンツがバイラルな広がりを見せているときでさえ、CMO、CEO、そしてCFOはコスト、利益、粗利の観点から結果を見たいと考えています。工程と、コンテンツ戦略を補完する分析的なフレームワークを用意する必要があり、それを企業の決算に結びつけましょう。コンテンツ制作という海に飛び込む前に、KPIにもとづいたコンテンツ戦略を築くことが、チームメンバー内に大きな信頼と集中をもたらすのです。このガイドはコンテンツ施策のすべての費用対効果を計測する方法を示すもので、ガイドを読むことで、次のことが可能になります。>どのKPIがビジネスの成長を示すものかを決定する >マーケティングの目標を達成するためにどれくらいの予算が必要かを予測する >ブランドやリード創出の活動をビジネスの目標に合致したものにする >マーケティング施策の進捗(そして成功!)をレポートする。

 

終わりから始めることを念頭に置く: KPIとじっくりと向き合う

コンテンツマーケティングの成功は一夜にして成らずです。オーディエンスを楽しませ、惹きつけ、関係を築きたいのであれば、価値の高い題材を制作する必要があります。重要項目として何をKPIとして選択するかに注意を払いましょう。とくにコンテンツマーケティングでは、無限に指標が存在しているように見え、あるものは他のものに比べてビジネスの成長を示す指標として優れています。選択できなければ、あなたの組織は管理不能なデータダンプの中に埋もれるか、会社に金銭的価値をもたらさないようなコンテンツの成功を祝うことになるでしょう。

コンテンツマーケティングのKPIは、あなたの会社のコンバージョンファネルを直接映し出したものです。指標は、次のような問いに答えることで、ファネルを通した、見込み客の行動をトラッキングするべきです。

  • 新規の潜在顧客をブランドに接触させる際に、コンテンツはどれくらい有効か
  • ブランドに対する興味やつながりを築くにあたって、コンテンツはどれくらい有効か
  • 顧客があなたとビジネスすることをコンテンツによってどの程度促進できているか
  • 総合的に、コンテンツ戦略は収益を伸ばすことにどれだけ有効か

ブランドアウェアネス、ページインプレッション、検索ランクなどの指標は、コスト、収益、利益や受注フローなどの会計的観点と同調する必要があります。次のフレームワークは、それらの点と点をつなげることに役立ちます。

 

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コンテンツマーケティングの計測の3つの柱を定義する

リーチ

ターゲットオーディエンスを惹きつけているかどうかを見るために計測されるものです。ベテランのコンテンツマーケターは、ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアを組み合わせて、トピックを、ブランドが結びつけたいと考えている適切なオーディエンスに届けています。訪問者、ユニーク訪問者、特定の検索キーワード(あなたのトピック)による訪問者、モバイルとソーシャルからの訪問者など、標準的な指標に目を通しましょう。

エンゲージメント

これはコンテンツに関する指標です。サイトを訪問した後の訪問者が、コンテンツに関心を持ったかどうかを確認するためのものです。顧客はあなたを信頼し、信頼できる情報源としてあなたを見ているのか。ブランドコンテンツは、他に比べて高評価を得ているのか。エンゲージメントは、訪問あたりのページビュー、サイトの滞在時間、再来訪者、ソーシャルシェア、コメントを通じて計測できます。

コンバージョン

これはコンテンツマーケティングで最も重要なのに、しばしば忘れられてしまう指標です。「オーディエンスはあなたとビジネスをすることに興味がありますか?」という、重要な問いへの答えとして、それぞれのサイトはコンバージョンの目標を持つ必要があります。コンシューマーブランドの一般的なコンバージョンの目標には、メールニュースの購読登録、懸賞、クーポン、その他のオファー、または、ウェブサイトやコンテンツの一部(YouTubeの広告クリップなど)をクリックするといったシンプルなものが挙げられます。

コンテンツをコンバージョンに繋げる

 

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顧客獲得はマラソンであって、短距離走ではありません。コンバージョンサイクルの長さは、B2BまたはB2Cのどちらの組織であるかによって異なり、コンバージョンは数時間、数日、週、または月にまたがることがあります。ウェブサイトの訪問者は、あなたの会社をコンテンツを通して発見し、1週間後に広告であなたのサイトに戻り、メールリストにサインアップし、6カ月後には契約にサインするかもしれません。ファネルのすべての段階で悪化することもあれば、去ってしまうこともあります。サイト訪問者のほんの一部だけが、購買顧客となるのです。

コンテンツマーケティング活動を、購入者のペルソナとコンバージョンファネルの各ステージに合わせることによって、リードや取引間近な顧客候補を獲得する機会を増やすことができます。コンバージョンファネルには、見込み客が購買顧客になる各段階を関連づけられています。同じように、初めての購買者が再購買に至るまでの段階も関連づけられています。

逆算する: 予算を決めるためにROIを予測する

初めてコンテンツ戦略を構築する場合は、「始めるためにいくら必要なのか?」というようなシンプルな質問に答えようとしてスプレッドシートとにらめっこしたり、予算作成にどっぷり浸かってしまうかもしれません。

マーケターの中には、この問いに答えるために、暗闇の中でダーツを投げるような真似をするかもしれません。しかし、より効果的なやり方があります。達成しようとしている投資収益率の予測を作成する必要があります。そこから逆算して先行するコストを決定するのです。

ありそうなシナリオを想像してみましょう。あなたのCMOは、さまざまなコンテンツを提供する新規マイクロサイトで、四半期ごとに50万人のユニークビジターを求めています。サイトではX%の新規の氏名を獲得しようとしています。これらの目標を達成するために、どれくらいの予算が必要でしょうか。さまざまなエンジニアリングとデザインのニーズを除いて、確認する必要がある標準的なコストは以下のとおりです。

  • オリジナルコンテンツ(X)
  • シンジケーテッドコンテンツ(Y)
  • スタッフ編集者(Z)

今度は、X、Y、Zを解決する必要があります。逆算するのです。マーケティングキャンペーン全体で、平均コンバージョン率が3%、年間の顧客価値が500ドルとしておきましょう。50万のサイト訪問者ごとに、15,000人の顧客を獲得できることになります。ユーザーの価値が500ドルの場合、このトラフィックは約 7,500,000ドル相当になります。

コンテンツの制作、コンテンツライセンス、トラフィックの獲得、スタッフに50万ドルを費やしたとすると、営業利益率は93%、顧客ひとりあたりの費用は33ドル、ユニークビジターひとりあたりの費用は1ドルになります。

実際には、多くの変数がコンバージョンと売上に影響することを覚えておきましょう。季節変動と製品の変更があり、季節、文化、経済的動向は売上を変化させ得る要因の例です。コンテンツマーケティング施策のROIを正確に把握するためには、適切なアトリビューションモデルによって、分析ツールをカスタマイズする必要があります。アトリビューションモデルは、収益をもたらすマーケティン活動を最適化するのに役立ちます。とりわけ、コンバージョンへの複数の経路がある場合には。

ROI、ユーザーの行動、および売上を計測するためのフレームワークでは、メール購読者が顧客へと変わる最終的なジャンプだけでなく、コンバージョンに至る各段階から次の段階への遷移も取得する必要があります。「レポートカード」を用いることで、コンテンツマーケティングのROIに透明性がもたらされます。NewsCredでは、デマンドジェネレーションのレポートカードを毎日更新しています。もちろんあなたの場合は、週次、月次、または四半期ごとなど、あなたの周期で進捗状況を共有することが出来ます。

 

Google Analytics Content Marketing

 

コンテンツ・パフォーマンス・レポート

最高のパフォーマンスを示したコンテンツを特定するには、ウェブフォームを通したコンテンツ(閲覧制限付きコンテンツ)によって獲得したリードあたりのコストを計測する必要があります。

チャネルレベルのレポート

 

Channel Level Reporting Content Marketing

 

このレポートは、チャネルごとに、マーケティング活動へビジネスへのインパクトの総数を確認するためのものです。企業には、それぞれの「一番成果が出るマーケティングチャネルの組み合わせ」というものがあります。チャネルレベルのレポートによって各チャネルの成功を判断することができ、最終的に次の四半期にどのように予算を割り当てるべきかという方向性を決めることが出来ます。

データをレポートするためのヒント

データは強力なツールであり、悪夢でもあります。適切なフレームワークを用いれば、素晴らしいROIのストーリーが見えてきます。無意味なデータダンプに埋もれてしまうのを避けるためのベストプラクティスを以下に挙げます。

レポートの標準化。すべてのコンテンツ・マーケティング・レポートは、同じテンプレートを用いて作成する。

データの自動化。デベロッパーと分析チームと協力して、レポートの作成を自動化しましょう。人的エラーを最小限に抑えることができます。

合理化されたプレゼンテーション。まだデータをExcelに取り込んでいるのなら、PowerPointやその他のプレゼンテーションツールで、いくつかのテンプレートを作成し、情報をより分かりやすくするか、マーケティング分析やワークフローツールを使用して、より効率的に計測できるようにすることを検討しましょう。

手法の明確化。すべての手法を文書化して、ステークホルダーがアクセスできるようにしましょう。

用語の定義。オンラインマーケティングでは、言い回しやマーケティング用語が組織ごとに異なる意味で使われていることがあります。用語の意味を明確にして、チームやステークホルダーの間で同じ意味で使用できるようしましょう。

サンプリング手法の合理化。データをサンプリングする過程で、報告すべき数が歪む可能性があります。エラーの発生を最小限に抑えるには、データサンプリングの手順がチーム全体で一貫させていることを確認しましょう。

一貫性。どれくらいの頻度でレポートを作成する必要があるかを決めましょう。最低でも、進捗状況は四半期ごとにチェックすべきですが、週次、月次でレポートすべきものもあります。

最適なスタッフ配置。コンテンツマーケティングのレポートを管理するチームメンバーを決めます。このチームにレポートを作らせて、システムが完全に統合され一貫してオンラインになるようにします。

データの統合。どのデータソースを用いるのかを明確にし、関連する情報をどのように同期させるかを決定します。

成長すべてのレポートは、実行可能、かつ成長に向かって位置づけられるべきです。興味深いという理由だけで追跡してはいけません。最終的にマーケターは、成長エンジンであって、ドキュメント保管係ではないのです。

適切なツールを選択する

たくさんの指標を追いかけないといけないので、適切なツールを選び出し、プロセスを合理化し、一貫したレポートを作成し、データという大海から意味のある結果や傾向を見つけ出しましょう。ビジネスのゴールを達成するためには、可能な限り多くの洞察を得ることができる分析ソリューション選ぶ必要もあります。最低でも、以下の機能をサポートするプラットフォームが必要です。

コンテンツドリルダウン。どのコンテンツが多くの関心を集めているのか、販売機会を生み出しているのかを確認できます。

トラフィックソース分析。リファラルトラフィック、つまり自サイトへの送客につながっている他のサイトやプラットフォームを確認できます。

コンバージョンファネル。解析ツールでは、ウェブサイト上でコンバージョンにつながった訪問者の行動パスをビジュアル化してくれます。

コンバージョンレポート。ウェブサイト上の収益を生み出した行動を追跡するのに役立ちます。

ソーシャルシェアとエンゲージメント。ソーシャルチャネル全体を通して、ブランドやコンテンツに関連した動きをチェックしたり、計測したりすることで、コンテンツ戦略と広告予算を最適化することができます。クリック数、コメント数、シェア数、オーディエンス数の増加は、マーケティングの成功を示す指標になります。

また、Marketo、Eloqua、NewsCredのコンテンツマーケティングプラットフォームなど、既存のマーケティングシステムを補完するツールを選択することも重要です。たとえば、メール送信を自動化してキャンペーンを実施している場合は、すべてのツールが同じデータポイントを計測できるように同期していることが望ましいはずです。

効率性に焦点を当てる

コンテンツマーケティング施策の運用は、絶え間ない自己訓練の繰り返しです。作り手はコンテンツが気に入っているかもしれませんが、そのコンテンツはオーディエンスに気に入られるものでしょうか。コンテンツ施策のパフォーマンスに対して批判的でいましょう。マーケティングのゴールを達成できているのか、いないのか、期待以上に達成できているのか、現実を把握するために自問しましょう。この問いに対する答えは、データにもとづき、すべての主要KPIによって説明されるものでなくてはいけません。

マーケティング業界の第一人者であり、作家でもあるAndreas Ramos氏は、チームが踏むべき段階をまとめました。

  1. キャンペーン費用を明確にする。
  2. キャンペーンから直接得られる収入を明確にする。
  3. 追跡のプロセスを記述する。
  4. コンバージョン率も並記して、リードや購買客の数を明確にする。
  5. リードひとりあたりの獲得コスト(maxCPL)、またはアクション一件あたりのコスト(maxCPA)を明確にする。
  6. 統計的有為な数値を使用する(データサンプルが少なすぎると結果に価値がなくなります)。
  7. キャンペーンに関する結論を導き出せるように、比較用のグループを記述する。

結論

コンテンツマーケティングは、新しいオーディエンスを惹きつけ、ブランドのアイデンティティを構築し、顧客との関係を強化するための強力なツールです。ビジネスの成長に影響を与える能力があり、注意深く展開できれば、マーケティングチームが顧客獲得エンジンと化すのです。より大きなROIを生み出せれば、それだけ多くのコンテンツを制作できるようになります。数字がすべてを語ります。

元記事「The Ultimate Guide to Content Marketing ROI」は2016年7月19日にInsights.newscred.comに掲載され、日本語版「コンテンツマーケティングのROIを熟知するための必携ガイド」が2018年7月20日にInsights.newscred.jpに掲載されました。

この記事はNewsCred BlogのNewsCredが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。