edited by Takaya Uchida ( Vapes Inc. )

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才能あるエンジニア採用に、IT業界に限らずどの業界も躍起になっていることは皆さんも周知の通りです。

FacebookやAmazonは毎年何千人ものエンジニアを採用し、全米における全企業の内73%もの組織が2014年度にはより多くの有能なエンジニアを採用していきたいと答えています。

Yahooを見てみても多くの才能ある人材を獲得すべく、FacebookやTwitterとM&A合戦を繰り広げており、2012年以来計37社の買収に成功しています。

この人材獲得に対する過剰ともいえる需要は、採用過程で人事の方々を手助けする様々なツールによってようやく解決され始めています。

新たなツールとより合理的な採用面接基準を定めることによって、テック系の大企業は70% ~ 80%もの時間(換算すると2ヶ月あたり、なんと1500時間)の節約に成功しているとも言われています。

そこで本日は、有能なエンジニア採用に成功している企業の方策を、エンジニアの採用過程における3つの通説に照らし合わせてご紹介致します。

*本記事はY CombinatorとHackerRankの共同創業者であるVivek Ravisankar氏によってTech Crunchに寄稿された記事( 原題:How To Hack Hiring )をもとに、著者が執筆したものになります。

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通説その1:ひっかけ問題を出題することが隠れた優秀な人材発掘につながる

リクルートに成功している会社は、一般的な質問の中にひっかけ問題を織り混ぜることで、優秀なエンジニアを選別していると思われています。

しかし、例えばGoogleは実用上の能力を測る手助けにはならないとして、そのようなひねくれた難問の出題をやめました。

Intelも採用過程の透明性を高めるために志願者向けのヘルプデスクを設置し、Amazonの技術部門の前顧問も、採用面接では毎回同じ質問をしていたと述べています。

注意すべきことは、これらの変化により応募者にとって面接が有利になったということではありません。

むしろ質問の内容が事前にわかることによって、志願者はそれに対する答えを吟味しなければいけなくなり、採用側は回答のデータベースを蓄積していけることにより、志願者の能力をより客観的に測りやすくなったと言えるでしょう。

通説その2:ホワイトボードにコーディングの答えを書かせることが能力を測るベストな方法

いつまでそのような古典的な手法をとっているのでしょうか。特にコーディングの能力を測りたい場合、面接会場の雰囲気は一新すべきでしょう。

志願者がコーディングを行う環境は、実際に仕事でコーディングを行う環境になるだけ近づける必要があります。ホワイトボード上でコードを書かせることは、面接結果を歪曲してしまうことになりかねないのです。

優秀なエンジニア獲得に成功している企業では、志願者の能力を見定めるために実際の仕事場に近い環境で志願者にコーディングの能力を競わせたり、コーディングの能力を測るツールの活用、及び採用過程を全て電子化することにより効率性をあげる、などといった新たなツールが使われはじめています。

通説その3:採用に関する合否が決まったら、その応募に関する情報は破棄して次の志願者に目を移すべきである

アメリカでは、約75%もの求職者が、不採用の場合、あるいは採用を辞退した場合に、合否通知以降人事担当の人から改めて連絡がきたことがないと語っています。

しかし、エンジニア採用に成功している企業は、それぞれの志願者と採用の合否発表以降も採用、不採用に関わらず継続的に連絡をとることによって、常に雇用の可能性を探っているのが実情です。

コーディングは練習によって磨かれるスキルであるため、各志願者が後々自社にとって有望な人材にまで成長する可能性を秘めているのです。

初めて自社へ志願するエンジニアに名簿に登録してもらうことは、再度連絡をとる際の人材のプールを確保しておく、という意味において有効な手段だと言えるでしょう。

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最後に

本記事が提供した情報は、優秀な人材確保を考えていく上での手助けになりましたでしょうか。

企業のグロースに有能なエンジニアは欠かせない存在です。

大切なことは、個々の志願者と真摯に向き合いながらも採用に有益なツールは使っていき、合否判定後も志願者とコミュニケーションをとっていくことによって、将来その人が有能なエンジニアに成長した際、自社への雇用の可能性につなげていくことだと言えるでしょう。