edited by Ryutaro Mori
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WEBユーザーがサイト利用時にマジでイラつく9つのタイミング
5年前。
Airbnbが投資家向けにそのアイディアを披露したとき、多くの投資家は懐疑的な反応しか示さなかった。
そして時価総額が1兆円に達した今日でさえも、Airbnbは否定派との戦いを続けている。
レンタルアパート内で起こった乱交騒ぎに関して、Airbnbはニューヨーク州と法廷闘争を繰り広げているのだ。
しかし、もしAirbnbの共同創始者が見知らぬ人同士が家を貸し借りすることで起こるあらゆるシナリオを予測していたら、彼らはビールを半分空ける前にこのビジネスアイディアを放棄していたのではないだろうか。
本記事は、Entrepreneurに掲載された「Airbnb Co-Founder: If Rejection Slows You Down, Entrepreneurship Isn’t For You」を翻訳して紹介しています。
拒絶され続けた創業期
(Airbnb創業者の3人/画像:Entrepreneur)
「決心の強さこそが偉大な起業家を構成する最大の要素であり、完璧を求めれば重要な機会をみすみす逃すことになる。起業家としての成功はビジネスアイディアそのものよりも、その人自身にかかっているのだ。」
ニューヨーク大学の経営大学院におけるシェアリング・エコノミーの授業の中でそう語ったのは、Airbnb共同創始者のNathan Blecharczyk氏だ。
創業期、Blecharczyk氏が共同創業者のChesky氏とGebbia氏とともに有名投資家にピッチを行った際には、「こんなサービス機能するワケがない。やめたほうがいい。」、「Airbnbが君たちが提供する唯一のサービスじゃないことを祈るよ。」といった辛辣な言葉を投資家から浴びたこともあったそうだ。
しかし、5年の月日が経過した今、投資家はAirbnbを逃した好機だと捉えている。
米国有数のVCであり、ニューヨークに拠点を構えるUnion Square Venturesもその1つだ。
Airbnbの共同創始者である3人は、Yコンビネーターのプログラムを卒業した後、Union Aquare Venturesに資金調達の話を持ちかけた。
当時Airbnbは資金をショートしており、投資家集めに必死だったのである。
結局どのファンドからも資金を調達出来なかったAirbnbは、どこにでも売っているシリアルフレークを大量に購入し、当時佳境を迎えていた大統領選挙をネタに「Obama-Os」と「Cap’n McCains」という2種類のパッケージに詰め替えて1箱40ドルで販売。
オバマブランドのシリアルフレークの方が比較的人気が高く、共同創始者の3人はマケインブランドのシリアルで食費を削減していたという。
Union Square Venturesの共同創始者Fred Wilson氏は、未だにオバマブランドのシリアルを彼の会議室に飾り、Airbnbに投資しなかったことを以下のように振り返っている。
「私たちは当時、リビングルームに置かれたマットレスを宿泊先とは捉えられず、ディールを成立させなかった。一方で、他の投資家は共同創始者3人に可能性を見出し、投資を行った。その後については言うまでもないだろう。私たちも彼ら3人には可能性を見出していたが、結局投資を見送ってしまった。大きな間違いだった。会議室に置いてあるシリアルの箱は、もうこんな間違いを二度と犯しはしないという、戒めのサインなんだ。」
Airbnbを逃した好機と捉えているのは、Wilson氏だけではない。
ニューヨーク大学経営大学院にあるBerkeley Center for Entrepreneurship and Innovationでエグゼクティブ・ディレクターを務めるLuke Williams氏は、15人の超一流投資家がAirbnbのピッチに耳を傾けたが、誰一人として投資に踏み切らなかったと懐古している。
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拒絶に打ち勝つ強い決心
絶えず投資家からの拒絶に直面していた創業期以来、Airbnbは幾何学的な成長を遂げてきた。
創業から4年で400万人のゲストをもてなし、5年目は単独で700万人のゲストをもてなしてきたのである。
これだけの国際的な成功にもかかわらず、Airbnbに対する懐疑的な姿勢やビジネスへの障害は今も数多い。
たとえば規制機関は、Airbnbを通じて得た収入に課される税金の扱い方を未だに定義出来ていない。
共同創始者のBlecharczyk氏はまだまだ問題が山積みであることを理解している一方で、「もしローンチまでに全ての落とし穴に橋がかかるのを待っていたら、莫大なベネフィットが水の泡になっていただろう。こうした問題や障害は今すぐにでも解決されるべきだという期待もあるが、1度に全て解決出来るものではない。言うまでもなく、これらの課題をいち早く解決しようと僕たちは必死だけどね。」と語っている。
「起業家はもちろんのこと、規制機関や行政機関は、『ダメ、絶対やらないほうがいい』といった姿勢ではなく、『やろう、でもまずはソリューションを見つけ出そう』という姿勢で臨むべきだ。私たちは常に前を向いて、どんな未来を創り出したいのか、自身に問いかけるべきなんだ。」
そう語るBlecharczyk氏からは、彼自身が住みたい未来を作る強い決心がうかがえる。
「今年はほとんどの夜をAirbnbで借りたアパートで過ごした」と語るように、1兆円企業の共同創始者になった今でさえ、彼がホテルに滞在することはないのだ。
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