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【注目】
「早朝グローサソン」では、ハイレベルな講義を聞きたい、グロースハックをまずは疑似体験したい、というグロースハッカー志望者のエンジニアを募集しております!
「私こそ!」という方は、グロースハックジャパン公式ホームページのメッセージより、森宛にご連絡頂ければ幸いです!
詳しくは、以下の記事本文をご覧下さい!
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「グローサソン(growthathon)」
グロースハックジャパンでも初めて扱うキーワードです。
勘のいい方ならもうお気づきの通り、グローサソンとは、皆様おなじみ「グロースハック」と、エンジニアが共同でソフトウェア開発を行うイベント「ハッカソン(hackathon)」を組み合わせた造語。エンジニアのみならず、デザイナー、ライター、データサイエンティストなどを含むグロースチームが共同でグロースハックに必要なプロダクトと拡散手段を企画・実装するイベントをグローサソンと呼ぶのです。
2012年の終わりにアメリカで始まったグローサソンですが、日本では最近になってようやくその重要性が認識され始め、各所でグローサソンの企画や運営が始動しています。(グロースハックジャパンのインタビューでもお世話になったAppSocially CEOの高橋さんが企画するグローサソンも、近日中にご紹介する予定です。)
そんな中、日本のスタートアップやVCの中心で活躍する若き精鋭が集い、日本のグロースハックのレベルを高めるためのグローサソンが、昨日静かに始動しました。
本日は、その概要と、第一回グローサソンの模様を、グロースハッカー志望者として出席した私の視点からお伝え致します!
グロースハッカー志望者なら絶対必見の「早朝グローサソン」
- ・今話題のNewsPicksを提供するUZABASEのグロースハッカー 杉浦 正明氏
- ・「史上最年少東証一部上場」でも有名なリブセンス取締役 桂大介氏
- ・グロースハックを支援するVC Skyland Ventures代表 木下慶彦氏
- ・「SlideStory」のヒットで知られるナナメウエのCEO 瀧嶋篤志氏
(順不同)
上記は、昨日始動した第一回「早朝グローサソン」を主催者・講師として牽引したメンバーの一覧です。
日本のスタートアップ事情に多少の見識があれば、日本のスタートアップやVCの中心で活躍する若き精鋭が集い、本気で日本のグロースハックの質を高めようとするその意思がお分かり頂けることと思います。
主催者のSkyland Ventures代表木下慶彦氏は、サービスの開発力だけに満足しない、「サービスを伸ばしていく意識を持ったエンジニア」を増やしていきたいという思いでこのグローサソンの開催を決断。木下氏とは、あるイベントのボランティアとして一昨日の夜に初めて挨拶をしたばかりでしたが、日本のグロースハックのレベルを向上させるという共通の想いを感じ取って頂き、グロースハックジャパンの執筆者でもある私も「早朝グローサソン」の企画・運営に携わる次第となりました。
始動したばかりということもあり、まだまだこれからのグローサソンではありますが、今後は定期的な開催を通じて、
- ・エンジニアから、グロースハッカーへの意識改革
- ・グロースハックテクニックやマインドセットの学習と共有
- ・Webサービスのグロースハックをディスカッションとグループワークを通じて企画・実装(現在企画中)
上記のような活動を行っていきたい所存です。
既に有名なスタートアップの代表者や技術者の皆様も、唯一時間の取れる早朝を利用して第一回グローサソンに参加しており、運営側の私としても今後の展開が楽しみでなりません!
第一回早朝グローサソン要点まとめ
2月5日の朝7時から、渋谷にオフィスを構えるアクセルレーター「MODIVA JAPAN」のオフィスをお借りして始動した第一回早朝グローサソンの模様を、早速お伝え致します!
初回ということもあり、グロースハックの基礎の確認とディスカッションが中心となりましたが、質の高いレクチャーとハイレベルなディスカッションは今後の発展を期待するに充分な内容となりました!
【第一幕】メディア形態の変化とグロースハック
リブセンス取締役の桂大介氏による講義は、①グロースハックの定義と、②グロースハックを理解する上で欠かせない、メディア形態の変化を中心とした内容になりました。以下、講義の要点になります。
- 【1】グロースハックの定義 -ハッキングとクラッキングの違い-
バズワードとして出回ってしまった今、その響き故に、グロースハックは未だに誤ったイメージを拭い切れていないことは否めません。しかし、そもそもハッキングとは、「既存のシステムの裏をかいて、カスタマイズして(作り替えて)、そして改善を生む」という意味を持ち合わせており、破壊的な行為である「クラッキング」とは大きく意味が異なります。
グロースハックをしっかりと理解するためにも、この二つのキーワードの違いを理解することは非常に重要です!
- 【2】メディア形態の変化とグロースハック
インターネットが一般的になって以来、メディアの形態は大きく分けて2回の変化を遂げてきました。
①Web1.0
- ・最初のステージ
- ・Yahoo! Japanなどのポータルサイトやジャーナルサイトが中心
- ・一人(サイト)が発信して、その情報をみんなが受け取る、「1:Nの関係」が定着
- ・PR手段は、純広告やアフィリエイト、初期のメールマーケティング、RSSやSEMが中心
②Web2.0
- ・ブログやmixiなどの初期SNSが2004年頃から台頭
- ・CGMが一般的になり、ネットが民主化する機運が感じられたが、プラットフォーム上で発信が可能になっただけであり、まだまだユーザー主体とは言えない段階
- ・PR手段は、ここでもやはり純広告やアフィリエイト、メールマーケティング、RSSやSEMが中心
③脱Web
- ・ツイッターやフェイスブックをはじめとするSNSアプリの台頭
- ・個人がプラットフォームに依存していた以前の形態から、サービスが個人の上に乗っかる形態に変わる
- ・個人の拡散力が高まり、コンテンツマーケティングやSNSを利用したバイラルマーケティングが主流になる
- ・アプリの発達に伴い、プッシュ通知も重要なPR手段になる
- ・メトリックスの捉え方が、単純なCVRやUUから、AARRRに変化
- ・「利用時にログイン」という概念が定着
- ・デバイスの多様化に伴い、クロスデバイス対応も重要になる
桂氏が取締役を務めるリブセンスは、Web2.0で成功したメディアであり、一見グロースハック寄りではないように思えます。
しかし、「学生企業」最大の弱点である信頼の欠如を逆手に取った採用課金はフリーミアムモデルに近く、ビジネスモデルに売れる仕組みを組み込んだ点ではグロースハックに近いマインドセットだったと言えるでしょう。
【第二幕】グロースハッカーの考え方
今話題のNewsPicksを提供するUZABASEのグロースハッカー杉浦氏は、グロースハッカーの考え方についてご説明くださいました。
1月にUZABASEに転職したばかりの杉浦氏が、短期間でグロースハッカーのマインドセットを社内に定着させる為に作成した資料を使ってのレクチャーはまさに必見の内容です!
- 【1】グロースチームに必要なもの 3選
①執着心
- ・世の中の問題を自分の力で解決するんだという志
- ・やりきるまで諦めない粘着力
②思い込みの排除
- ・「この機能がきっと受けるはず」という思い込みを捨て、間違いから学ぶ力
③失敗を恐れないチームの風土
- ・失敗を恐れず高速に仮説・検証を繰り返すことができるチーム風土を作る必要性
- ・仮説検証は、100回試して80回はずれることも当然。それでもめげずに続けられる心の持ち方が重要
- 【2】グロースハックの流れ
①KPIを選ぶ
- ・ダウンロード数、デイリーアクティブユーザーなど、KGIを達成する為のKPIを選定
- ・KPIは必ずAARRRを用いて整理する
②改善箇所を探す
- ・ファンネル分析を用いて、少ない工数で改善幅が大きい改善箇所を探す
*ファンネル分析に関してはこちらを参照
③仮説構築
④実験
⑤検証
(まとめて)
- ・ユーザーのニーズや需要の高いセグメントに関して、仮説を構築する
- ・どれだけの改善が見られれば合格なのか、合格基準となる数値を明確に設定する
- ・検証の為の実装に工数をかけず、ペーパープロトタイプなどを活用する
- ・メリット・デメリットを理解した上で、A/Bテストやコホート分析を行う
- 【3】ディスカッション
最後は、NewsPicksを実際に利用しながら、以下の目的を達成する為の手段を参加者が二つのグループに分かれて議論を交わしました。
①初回体験(アクティベーション)でどうすれば「WOW」体験を与えられるか
②リファラルを増やすにはどうすればいいか
様々な案が飛び出した中、
- ・おすすめを意味する「Picks」への理解を深めるため、利用ガイドを提供する
- ・ビジネス系情報が多い特性を利用して、社内のチーム内でグルーピング及び記事の共有を可能にする機能を実装する
- ・NewsPicksの売りである、「有名人のコメントの閲覧」を利用して、コメント自体をシェア出来るようにする
- ・最初からログインをさせず、一度アプリに馴れさせた上でサインアップを要求する
といった意見が特に印象的でした。
【最終幕】ナナメウエが実践するグロースハック
以前にグロースハックジャパンでもインタビューを行ったナナメウエが実践するグロースハックテクニックを、CEOの瀧嶋氏にご説明頂きました!
- 【1】リテンション最適化のために
①とにかくレビューを読む
レビューを読むことで、ユーザーの利用シーンや、ユーザーが困っていることを的確に把握することが可能になります。
②アプリ内でレビューを書いてもらえるようにお願いする
どのタイミングでお願いするかが重要であり、動画を作り終えたときなど、ユーザーが暇なときにお願いすることが大事だそうです。
③レビューとは別に、「不具合報告」と「よくあるお問い合せ」ページをアプリ内に用意する。
App Storeではユーザーとの対話が出来ないため、レビューとは別に不具合報告を行う場所を用意しているそうです。ユーザーがちょっとしたことで不満を覚えないための「よくある質問」ページに加えて、不具合報告専用のページを置くことで、悪いレビューがApp Storeに出づらくなるという利点もあるそうです。
④レビューには、デフォルトの文言を設定
いざユーザーがレビューを押しても、書き出し方が分からなくて結果的に離脱してしまうユーザーも少なくないとか。そこでナナメウエでは、レビューの文言をあらかじめ設定し、そのまま何も加えずに投稿しても、カスタマイズして投稿しても、空欄の時と比べてレビューを投稿しやすくなるように工夫しているそうです。
⑤友達紹介(リファラル)で、BGMをプレゼント
「SlideShare」では豊富な音楽がユーザー体験の最適化に欠かせない要素であることを利用し、BGMというインセンティブをリファラーに与えています。
- 【2】ディスカッション
実際に「SlideShare」を利用しながら、どうすればリテンションを更に向上させることが出来るか議論を交わしました。
様々な案が飛び出した中、
- ・位置情報連動プッシュ通知を利用して、利用頻度が高いと思われるエンターテイメント施設などに行くとプッシュ通知が送られるようにする
- ・位置情報連動プッシュ通知を利用して、過去にアプリを使った場所に行くとプッシュ通知が送られるようにする
- ・画像や動画の宝庫であるPinterestでシェアする機能を追加する
- ・休日とか誕生日とか、利用頻度が高いと思われる日付にフォーカスしてプッシュ通知が送られるようにする
といった意見が特に印象的でした。
最後に
いかがでしたでしょうか?
第一回目ということもあり、まだまだ改善点が多いことも事実ですが、講義に真剣に耳を傾ける姿や、自身のプロダクト以外の製品のグロースについて真剣に議論を交わす姿はとても印象的でした。
「早朝グローサソン」では、ハイレベルな講義を聞きたい、グロースハックを疑似体験したい、というグロースハッカー志望者のエンジニアを募集しております!
「私こそ!」という方は、グロースハックジャパン公式ホームページのメッセージより、森宛にご連絡頂ければ幸いです!
思い切って布団から飛び出して、日本のグロースハックのレベルを一緒に向上させましょう!!!