ついにやってきました!

今月初旬に行われた「早朝グローサソン」から名前を変えて昨日開催された第2回「Growthengineer Camp」。

日本のグロースハック企業としてもお馴染みVASILYのCTO今村氏と、大人気写真アプリ「CunPic」のグロースハックに寄与したヤフーの卯西氏を迎えたGrowthengineer Campの様子をどこよりも早くお伝えします!

はじめに

Growthengineer Campでは、以下の募集要項に当てはまるスタートアップ及びエンジニアを募集しています。ご興味頂ける場合には、Growthengineer Camp公式Facebookページより、森宛にご連絡くださるようお願い申し上げます。

①パネラー

Growthengineer Campでは、ノウハウの共有を目的に、参加者を前にレクチャーを提供頂けるエンジニアを募集しております。以下の条件のいずれかを満たす場合には、Growthengineer Camp公式Facebookページより、森宛にご連絡くださるようお願い申し上げます。

  • ① グロースハックを実践し、実際に大きな成長(最低基準:10万DL)を達成したスタートアップ、及び成長に寄与したエンジニア
  • ② 条件①は満たさないが、グロースハックを実践中であり、今後の伸びが期待されるスタートアップ、及び所属エンジニア

②リスナー

Growthengineer Campでは、グロースハックに関する知識の向上を目的に、リスナーとして参加頂くエンジニアを募集しております。グロースハックを現場で実践する講師陣の下、グロースハックについて見識を深めたいとお考えの際には、Growthengineer Camp公式Facebookページより、森宛にご連絡くださるようお願い申し上げます。   沢山のご応募お待ちしております!

Recap①VASILY CTO今村氏によるiQONのグロースハック

国内外を問わず女性の間で人気沸騰中のコーディネート・レディースファッションアプリ「iQON(アイコン)」。その成長は著しく、最新の統計によると、女性を中心に月間300万人がiQONを利用しています。

そしてこの著しい成長を支えるのが、VASILYが誇るグロースハッカーとグロースチームの存在。第2回Growthengineer Campでは、グロースチームを支える柱の一人として活躍するVASILY CTOの今村氏が、チームやオペレーションの様子に関して詳細に語ってくれました!

講演の様子を以下に要点をまとめましたので、参加に至らなかった皆様は是非ともご覧下さい。

imamurasan

①iQONとは

  • ・国内最大級のファッションSNS
  • ・ユーザーが商品画像を自由に組み合わせてコーデを作成・共有できる
  • ・月間300万人のアクティブユーザー
  • ・アプリの平均レビュー4.5

②VASILYが考えるグロースハック

  • ・グロースハックとは、「数値やユーザーの声を分析し、ユーザーの数や質をグロースさせる仕組みをプロダクトの中に組み込んでしまうこと」
  • ・仕組みを組み込むのはエンジニアしか出来ない技
  • ・如何に多くの仕組みをプロダクト内に取り入れられるかが大事
  • ・仕組みを組み込むとは、リーンスタートアップでお馴染みのBuild(開発)、Measure(計測、データ収集、テスト)、Learn(気づき)のサイクルを繰り返し回すということ
  • 開発、検証、改善の基板となるのがデータ収集であり、これなしにグロースハックは不可能

③VASILYの開発スタイル

  • ・VASILYでは、主にグロースハッカー2名、エンジニ7名(Android, iOS, etc)、データ分析3名(統計、データマイニング)、の12名がiQONのグロースを担当
  • 全体を通してどう数字が変化したかが大事であり(何かが上がれば何かが下がるのが常で、局所的な改善に一喜一憂してはいけない)、そのためにもありとあらゆるデータを計測することが重要

④VASILYの計測例

  • ・VASILYでは、大きく分けて①アプリ内データ、②アプリ外データ、③サービス外データの3種類を計測
  • ・アプリ内データは、ナビゲーション内の各項目(メニューボタン、お気に入りリスト)が使われているか・気づかれているか、特定のタイミングで発生するイベント(ポップアップ画面など)が何回登場しているか、どこまでスクロールダウンしているか、などなど詳細まで緻密に計測
  • ・アプリ外データは、リテンションに効果的なプッシュ通知がターゲットメトリックスの向上に貢献しているか、どの状態でプッシュ通知を起動しているかなどを計測
  • ・サービス外データは、ユーザーがフェイスブックやツイッターを通じて直接的なリファラルにつながるアクションを取った際、その内どれだけダウンロードにつながっているかなどを計測

⑤計測を支えるツールと仕組み

  • ・計測を支えるツールは、大きく分けて①有料ASPサービスと②VASILYオリジナルツールの2種類を利用
  • ・ASPサービスは、複数のサービスを試した結果、マーケティング及び分析プラットフォーム「Localytics」の活用を決定
  • ・リワード広告の仕組みを応用したVASILYオリジナルツールを使って、どこからどんなルート経由でダウンロードされたかを確実に把握
  • ・iQON内のデータの読み書きは全てWEB API経由で行い、APIへロジックを集中
  • 社内Wikiを保有することで、各グロースハック施策を①なぜ行うのか、②どう行うのか、③どんな結果を予測しているのか、④どんな結果が出たのかを記録・共有

⑥VASILYがエンジニアに求めること

  • VASILYエンジニア意識3ヶ条として、①ユーザーに提供する価値を意識、②実装したものを検証する意識、③めげない、折れない意識を掲げる
  • ・エンジニアは、A/Bテストや細かい施策はサービスごとに異なることを理解し、「宝探しの確立」を高めるための武器を用意することが求められる

⑦ワークショップ

今村氏によって与えられた課題は、①ホーム画面の滞在時間をどうすれば伸ばせるか、②「購入へ」ボタンのCTRをどうすれば伸ばせるかの2つ。Growthengineer Campの参加者は、ディスカッションを通じてそれぞれの課題に案を出し合いました。

①初回訪問者のホームでの滞在時間をどうすれば伸ばせるか

  • ・iQON特有の「ワンタッチでコーディネートを分解して閲覧できる機能(画像を参照)」のAHA体験をアピールするために、ウォークスルーを実装する

iqon

(ユーザーが作成したコーディネートをタッチすると…)

iqon2

(コーディネートに含まれるアイテムそれぞれの閲覧が可能になります。)

  • ・画面に表示されるアイテムが多く、ごった返している印象を受けるため、要素の量を減らす
  • ・親近感を持たせるために、世代に見合った最新トレンドをホーム画面でフィーチャーする

などの意見が聞かれました。

②「購入へ」ボタンのCTRをどうやって高めるか

  • ・「購入へ」ボタンの下にあるアイテム情報を増やす

icon3

(初回訪問者にとってこの情報量は少なすぎるという意見が)

    ・現在左上部に小さく表示されている「○○%OFF」という売り文句を拡大

icon4

  • ・「購入へ」から「もっと見る」に文言を変更

などの意見が聞かれました。

Recap②ヤフー 卯西氏によるCunPicのグロースハック

iQONと同じく、若い女性を中心に人気を誇る写真アプリ「CunPic」。100万ダウンロード達成の裏に存在したグロースハック施策の存在を、ヤフーでエンジニアとして働く卯西氏が明かしてくれました!

①CunPicについて

  • ・「一発で自分撮りがかわいくなるアプリ」
  • ・「加工をやってるけど、やってるってバレない」、「簡単に納得のじぶんかわいい♡」がキャッチコピー
  • 平均レビュー4.8以上の高評価
  • ・グロースチームは、PM、ディレクター、デザイナー、iOS開発、Android開発にそれぞれ1名ずつの合計5名
  • 企画からUI/UXまでを全員参加で決定
  • ・可能な限り1週間に1回のアップデート(素材の追加など)を行う

②グロースハックの前に

  • グロースハックで優れたサービスになる訳ではなく、「グロースハックは万能である」という考えは誤り
  • ・優れたサービスの成長を加速させる施策という理解が適切

③CunPicの事例(リリース初期段階)

  • ・リリース初期段階は、ユーザー獲得(Acquisition)、初回体験(Activation)、招待(リファラル)に注力
  • ・ユーザー獲得に関しては、既存の人気写真アプリであるDECOPICPetapic内にローンチ前から後にかけてリンクを設置し、短期間でのユーザー獲得に成功
  • ・初回体験に関しては、インタラクションコストを減らし(ユーザーが迷わない設計を心がけ)、加工完了までにかかる時間を15秒以内に収めることで、最短で感動値を最大化することに成功。
  • ・初回体験に欠かせないチュートリアルにも、加工前画像と比較させたり、変化を認識させるために加工度合いを最大化させてみるなど、アクティベーション最適化に注力
  • ・リファラルに関しては、各種SNSに対応するだけでなく、国ごとにSNSを表示する順番を変える工夫を凝らす(日本ではLINEをトップに、中国ではWeChatをトップに)

④CunPicの事例(運用段階)

  • ・ユーザー獲得に関しては、アプリアイコンのA/Bテストなどの施策を実施

cun

(以前)

photo

(グロースハック後)

  • ・実装の手軽さから、アイコンのA/BテストはAndroidで実施
  • ・類似アプリの調査はもちろん、それぞれのパターンを一週間ごとにテスト
  • ・リテンションに関しては、①プッシュ通知の文言及び送信時間の調整、②一週間ごとに新加工素材を追加などの施策を行う
  • ・リファラルに関しては、SNSごとの投稿数を調べ、それに応じて表示順を変更

cunnn

  • ・LINEへの投稿ボタンをトップに表示することで、投稿数が170パーセントアップした例も

⑤ワークショップ

卯西氏によって与えられた課題は、①プッシュ通知から撮影・編集画面への遷移率をどう改善するか、②SNSへの投稿をどう増やせばいいかかの2つ。Growthengineer Campの参加者は、ディスカッションを通じてそれぞれの課題に案を出し合いました。

①プッシュ通知から撮影・編集画面への遷移率をどう改善するかに関しては、(現状ではプッシュ通知を開くと通常のトップ画面に飛ぶが、)プッシュ通知を開いた時に新しい加工素材を使った写真が表示されるべきという意見が大半を占めていました。

②SNS投稿数を増やすにはどうすべきかという課題に対しては、以下のような意見が聞かれました。

  • ・現在はフェイスブックやツイッターを押すとAPIを利用したログインを強要されるが、既にアレルギーを感じている人も多いため、単純にシェア出来るだけにする
  • ・「友達にシェアしよう」といった文言を入れる
  • ・LINEのロゴを他のSNSに比べて大きくする
  • ・SNS投稿しやすいテーマを設定してあげる

振り返って

今回Growthengineer Campに登壇頂いたお二人は、奇しくも女性向けのアプリを開発するエンジニアのお二方でした。

それとは対称的に、参加者は見事なまでに全員が男性だったため、ワークショップでは女性の気持ちを理解することに苦戦する方々も見受けられましたが、どんなサービスのグロースも担えるグロースハッカーになるためにも、貴重な機会だったのではないかと思います。

ご協力頂いた今村さん、卯西さんに、参加者を代表して心よりお礼申し上げます。

次回開催に向けての告知

Growthengineer Campでは、以下の募集要項に当てはまるスタートアップ及びエンジニアを募集しています。 ご興味頂ける場合には、growth hack japan公式Facebookページより、森宛にご連絡くださるようお願い申し上げます。

①パネラー

Growthengineer Campでは、ノウハウの共有を目的に、参加者を前にレクチャーを提供頂けるエンジニアを募集しております。以下の条件のいずれかを満たす場合には、Growthengineer Camp公式Facebookページより、森宛にご連絡くださるようお願い申し上げます。

  • ① グロースハックを実践し、実際に大きな成長(最低基準:10万DL)を達成したスタートアップ及び成長に寄与したエンジニア
  • ② 条件①は満たさないが、グロースハックを実践中であり、今後の伸びが期待されるスタートアップ及び所属エンジニア

②リスナー

Growthengineer Campでは、グロースハックに関する知識の向上を目的に、リスナーとして参加頂くエンジニアを募集しております。グロースハックを現場で実践する講師陣の下、グロースハックについて見識を深めたいとお考えの際には、Growthengineer Camp公式Facebookページより、森宛にご連絡くださるようお願い申し上げます。

沢山のご応募お待ちしております!