グロースハックジャパンを通じて予てよりお伝えしてきたプロダクト体験の重要性。

もちろん最高のプロダクト体験を演出するにはローンチ前後にかかわらず多大な努力を要するため、プロダクトが提供する価値や体験に対する強い情熱無しに達成することは困難です。

そこで本日は、プロダクトに対する情熱の重要性を再認識出来る機会になるであろう、Dropbox、Twitter、Tumblr.、Airbnbを含む超有名サービスの創始者10人による名言(意訳あり)を紹介致します。

Twitter

もし起業家に対して何か1つでもアドバイス出来るなら、「自分が取り組んでいるビジネスに対して、『感情の投資』をしろ」っていつも言っているんだ。なぜかって、そうしなかったことが僕がOdeoで失敗した理由だからね。

—Biz Stone, Twitter

Stone氏は、サービスの理念や価値に対する強い共感を『感情の投資(emotional investment)』という彼なりの言葉で表現しています。

自身の失敗を踏まえたこの発言からは、非常に強い説得力を感じます。

Dropbox

ニューヨーク行きのバスに乗っていると、USBを家に忘れたことに気づいたんだ。この状況にどうやって対処すれば良いんだと考えたら突然非力になって、もう二度とこんな経験をしたくないと思った(のがDropboxの始まりです。)

—Drew Houston, Dropbox

Dropboxは、Houston氏の身近で起きた災難から生まれたプロダクトです。

Google、Facebook、Airbnbに学ぶ「馬鹿げたこと」のすゝめ」でご紹介したWorld Innovation Lab 伊佐山元氏による発言の中にも、「普段の生活をしていて、こういう問題を解決するためにこのベンチャーを始めたんだ」というタイプほどミッションに対するコミットが強く、成功する傾向にあるという発言があり、まさにDropboxもその例と言えるでしょう。

Facebook

Facebookを会社にするつもりなんて元々無かったんだ。Facebookを作った理由は、「オープンで透明性の高い世界を作る」という1つの社会的使命を達成する為だからね。

—Mark Zuckerberg, Facebook

今でこそ株式上場に成功し、マネタイズに余念の無いFacebookも、誕生の理由は営利目的ではなかったとZuckerberg氏は語ります。

実際に実名制のSNSを世界に浸透させた功績は大きく、インターネットがよりオープンな場所に変わるきっかけを作った事実は高い評価に値します。

一方、Secretの買収騒動等、時代の潮流に合わせてこの理念に一見そぐわない動きも見せるFacebook。

Zuckerberg氏が掲げる使命に嘘は無いのか、今後の動向にも注目です。

Pinterest

僕はずっと「人が身の回りに集める物ほどその人について多く語るものはない」という考えに心を奪われていたんだ。だからPinterestは決してビジネスライクな分析から生まれた訳じゃなく、僕が本当に作りたいサービスだったんだよね。

—Ben Silbermann, Pinterest

自身が持つ強い信念をソーシャルメディアという形で実現したPinterest創業者のSilbermann氏。

この信念を貫いた結果、Pinterestは今最もマーケターフレンドリーなネットサービスと評されるまでに成長しています。

Google

「僕たちが成功している理由の1つは、元々ビジネスをやりたくて始めたワケじゃないってことだと思います。」

「もし僕たちがお金をモチベーションにこの仕事をしていたら、とっくのとうに会社を売却して、今頃はビーチの上にいるでしょう。」

「あなたはGoogleってすごいと思うかもしれないけど、僕は未だにどうしようもない会社だと思ってる。」

—Larry Page, Google

上記の発言はそれぞれ異なるタイミングで述べられたものですが、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という理念がGoogleの成長の原動力となり、その理念を実現する為に飽くなき追求を止めないという覚悟がPage氏の発言から伺えます。

Instagram

僕は昔から、写真を撮ること、そしてPhotoshopを使ってその写真を正方形にトリミングして、フィルターを付けることにとにかく夢中だったんだ。

—Kevin Systrom, Instagram

「夢中」であったと語る趣味がそのままアプリになったInstagram。

自身が楽しみを覚え、情熱を注ぐ趣味を原動力とすることで、その体験を共有したいという思いからより充実したユーザー体験を届けることが出来るのかもしれません。

WhatsApp

WhatsAppのエンジニアは、ユーザーに質と信頼性が高いコミュニケーションサービスを、手頃な価格で世の中に存在する全ての電話に搭載することを目的として、サービスの改善に毎分毎秒を費やしています。

このコミュニケーションこそが私たちにとってのプロダクトであり、情熱です。

広告やパーソナルデータの取得の重要性が増せば、あなた自身がプロダクトに成り下がってしまうことをどうか忘れないでください。

—WhatsApp Blog

広告を見ていると鬱な気分になるんだ。たとえどんなに費用対効果の高い広告システムを作っても、誰の人生を良くすることも出来ないよ。

—Jan Koum, WhatsApp

多くのネットサービスが広告や広告とフリーミアムのミックスでマネタイズを成功させる中、WhatsAppは広告への嫌悪感を露にし、年間99セントの料金設定(初年度のみ無料)に対する強いこだわりを予てより表明してきました。

前述の発言にあるように、「ユーザーに質と信頼性が高いコミュニケーションサービスを、手頃な価格で世の中に存在する全ての電話に搭載すること」というミッションを貫いたことがユーザー体験の最適化に繋がり、結果的にFacebookによる巨額の買収に結びついたと言って過言ではないでしょう。

Airbnb

2010年の6月、僕は自分のアパートを出て、それ以来は断続的にホームレス生活を続けています。今もAirbnbに登録中のアパートに済んでいるし、毎週サンフランシスコにある異なる家を訪れては寝床を貸してもらっているよ。

—Brian Chesky, Airbnb

今や100億ドルとも言われるバリュエーションを誇るAirbnbのCEOが、現在も自身が提供するシェアリングサービスを使って生活している。

これ以上のPRは存在しないことはもちろん、プロダクトに対する情熱無しにこんなことは到底出来ないでしょう。

Oculus

どうすれば利益を最大化出来るかという観点から値決めをしたり、市場調査を行ったりはしません。私たちはいつも、会社として存続出来る最低限の価格で、出来る限り多くのユーザーにOculus Riftを使ってもらうことを目的にマーケティング活動を行っているんです。

—Palmer Luckey, Oculus

Facebookに2億ドルで買収されたOculusですが、この展開もあくまで「出来る限り多くのユーザーにOculus Riftを使ってもらうこと」が目的であると、様々なインタビューでLuckey氏は語っています。

ポケモンや日本のゲーム文化にも強い敬意を表する折り紙付きのゲーマーLuckey氏が抱く「バーチャルリアリティという発展途上の技術を使ったエンターテイメント体験をユーザーに届けたい」という思いには、一点の曇りも感じられません。

Tumblr.

http://www.davidslog.com/

—David Karp, Tumblr.

皆様は、Tumblr.創業者Karp氏によるタンブラーブログ「デビッドの日記」をご存知でしょうか?

David氏がプロダクトに対してどれだけの情熱を持っているかは、彼のブログを見れば説明はいらないでしょう。

最後に

紹介した名言を通じて、急成長サービスの裏にはプロダクトに対する強い情熱が存在することをご理解頂けたでしょうか。

決して平坦な道のりではない起業とサービスのグロースを達成する為には、多少暑苦しいくらいの使命や理念が不可欠であると、本記事で紹介したサービスや起業家が物語っているのではないかと思います。

プロダクトの重要性に関する記事も、併せてチェック頂ければ幸いです!

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